忘れていたこと、あとで思い出したことをそのままにしない
ミスターリード:
まずは、警察への対応でやってはいけないことを教えてください。
「軽い事故だから警察に連絡しない」というのはよく聞きますが、警察に連絡した際に注意することはありますか?
弁護士法人・響澁谷望弁護士:
言うまでもないですが、警察に嘘や事実と異なることを話すことはNGです。
悪意があったかどうかに関係なく、虚偽の事実が紛れていると、話の内容全体の信用度が落ちてしまいます。
もし後から思い出したり、間違ったことを話していたと気がついたときは、正直に警察に訂正を申し出ましょう。
事実と異なっていたことについて、何か処罰されることはありませんので、ご安心ください。
ミスターリード:
警察への対応を誤ると、慰謝料の金額にも影響するのでしょうか?
弁護士法人・響澁谷望弁護士:
慰謝料は、大きく分けて、痛い辛い思いをしたことや通院の苦労などに関する入通院慰謝料と後遺障害を負わされてしまったことなどに関する後遺障害慰謝料があります。
被害者側であるならば、警察への対応によって慰謝料の金額が影響することはないですが、加害者側であった場合は、自分が有利になるように嘘をついていたりすると、反省していないと捉えられて、相手方の入通院慰謝料が増額することが考えられます。
保険会社の対応が面倒でも無視をしてはダメ
ミスターリード:
つぎに加害者の保険会社とのやりとりではいかがでしょうか?
保険会社とのやり取りをストレスに感じている方も多いです。
そのような方々が気をつけることはありますか?
弁護士法人・響澁谷望弁護士:
保険会社と話すことを嫌がって、連絡に応じない方が時々いらっしゃいます。
しかし、保険会社は、事故被害者と連絡が取れない場合、通院やケガの回復の状況に関係なく、治療費の支払いを一方的に打ち切ることがあります。
したがいまして、保険会社とのやり取りを拒否することは避けてください。
また、保険会社の対応が加害者の意向によるものだと勘違いし、保険会社の対応に不満があった際に、加害者に直接連絡をしてしまう方もいます。
連絡の方法や発言内容によっては、たとえ被害者であっても、脅迫罪や恐喝罪になる可能性もあります。
相手保険会社とやり取りをしているときは、加害者への直接の連絡はやめましょう。
ミスターリード:
やり取りの相手が保険会社ではなく弁護士のケースもあります。
そのときに気をつけることはありますか?
弁護士法人・響澁谷望弁護士:
弁護士を不必要に敵対視しないようにしましょう。
法律にかなった対応をする弁護士が大半ですので、被害者の方が感情的になって不協力な態度をとってしまうと、自分が不利な状況におかれるおそれがあります。
ミスターリード:
最後に、病院への通院でやってはいけないことを教えてください。
「許可なく整骨院に行かない」というのは、ミスターリードでも多く取り上げていますが、病院への通院では、どのような注意が必要ですか?
弁護士法人・響澁谷望弁護士:
通院頻度に気をつけてください。
自覚症状や回復の具合に関係なく毎日通院していると、相手保険会社から過剰治療の疑いをかけられることがあります。
通院頻度は自分で決めず、医師と相談して決めるようにしましょう。
ミスターリード:
ありがとうございました。
事故被害者が注意しなくてはいけないことってたくさんあるんですね。
このまま対応して良いかわからないことがあれば、弁護士などの専門家に相談して聞いたほうが良さそうですね。
「【事故被害者が間違える4大対応】その場で示談、警察に連絡しないはNG?」でも事故被害者のNG対応をご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。