交通事故で配達できなかったら賠償請求される?
ミスターリード:
Uber Eatsの配達バッグを背負った自転車やバイクを見かける機会が本当に増えました。
学生、フリーター、副業の人など、さまざまな人がUber Eatsの配達員をやっていますよね。
でも、すごく急いで配達している人を見かけることもあり、事故が心配になります。
ケガをする危険がありますし、配達できなかったことがトラブルにもなりそう…。
弁護士法人天音総合法律事務所正木絢生弁護士:
交通事故で配達できなくて損害が発生したら、事故の加害者、被害者に関係なく、配達員は注文をしたお客様やお店に損害賠償を支払うことになるかもしれません。
これは、配達員にも交通事故が起きた責任があると判断された場合には、お客様やお店に対する契約上の不履行責任という損害賠償義務が発生するからです。
ミスターリード:
そうですか。
配達員の人が事故の被害者だったとしても、損害賠償が発生するかもしれないんですね。
Uber Eats配達員が示談交渉で気をつけることは?
ミスターリード:
宅配サービスの会社では、従業員の配達中の交通事故で、会社や会社の弁護士が相手方とやり取りをすることもありますよね。
Uber Eatsの場合は、配達員に変わって対応してくれることはあるのでしょうか?
弁護士法人天音総合法律事務所正木絢生弁護士:
配達員が交通事故にあった場合、相手保険会社とのやり取りは本人がやることになります。
Uber Eatsに対応をお願いすることはできません。
配達員にも過失がつくケースなら、Uber Eatsが加入する保険会社が対応してくれると思われます。
ミスターリード:
自分で対応する場合はわからないことも多いでしょうから、弁護士などの専門家への相談も検討してほしいですね。
賠償金の示談交渉で注意したほうが良いことはありますか?
弁護士法人天音総合法律事務所正木絢生弁護士:
Uber Eatsの配達員だからといって、賠償金の請求で大きく異なることはありません。
ただし、Uber Eatsを本職にしている配達員の方は個人事業主となるため、休業損害の金額で相手保険会社とトラブルになることが想定されます。
収入の証明をきちんとできるかが休業損害を請求する際のポイントになりそうです。
ミスターリード:
Uber Eatsで配達中の交通事故は、仕事中の事故になりますよね。
労災を使用することはできないのですか?
弁護士法人天音総合法律事務所正木絢生弁護士:
Uber Eatsの配達員は個人事業主となるため、労災を使用することができません。
ただし、Uber Eatsは2019年10月より傷害補償制度をはじめていて、交通事故でケガをした場合、相手方への賠償金請求とは別で、Uber Eatsが契約している保険会社から見舞金の給付を受けられるようです。
また、ウーバーイーツユニオンができましたので、ユニオンの働きかけによって、今後、さまざまな改正が行われていく可能性があります。
ミスターリード:
まだ浸透してからの月日が浅いサービス。
今後、配達員の方々が安心して働くことができる補償ができあがっていくのかもしれませんね。
配達員の方々は自動車や歩行者に気をつけ、安全運転の配達を心がけてくださいね。