自動運転車が交通事故を起こしたら責任や慰謝料の支払いはどうなる?

自動運転車の開発が世界中で進んでいます。トヨタ、ホンダ、日産など、日本の自動車メーカーも開発に力を入れており、近い将来、完全自動運転の車が街中を走る時代が来るかもしれません。
しかし、自動運転車で交通事故が起こったら責任や損害賠償はどうなるのでしょうか?自動運転車による交通事故の責任や慰謝料請求、交通違反について、弁護士法人FLATの平林真一弁護士に見解をお聞きしました。

弁護士・専門家が答える交通事故の気になる話

自動運転×交通事故

弁護士

自動運転車はすでに街中を走行している?

ミスターリード

自動運転車の交通事故について教えてもらう前に、自動運者車についておさらいをしておきましょう。
自動運転は、車のアクセルやブレーキ、ハンドルを人ではなくシステムが操作する技術で、自動運転機能の未搭載から完全自動運転まで6つのレベルに分類されています。

自動運転車のレベル

レベル0
名称
運転自動化なし
詳細
自動運転機能がない車。ドライバーがすべての運転を行う。
レベル1
名称
運転支援
詳細
アクセルとブレーキ、またはハンドル操作のどちらかをシステムが実施し、運転手が常に監視する。
レベル2
名称
特定条件下での自動運転機能
詳細
アクセルとブレーキ、ハンドル操作の両方をシステムが行い、運転手が常に監視する。
レベル3
名称
条件付自動運転
詳細
システムがすべての運転操作を行い、監視もシステムが行う。運転手は緊急時に運転できる状態でいる必要がある。
レベル4
名称
特別条件下における完全自動運転
詳細
システムがすべての運転操作を行い、監視もシステム。エリアは限定されるが、システムがすべての責任を持ち、運転手は運転に参加しない。
レベル5
名称
完全自動運転
詳細
システムがすべての運転操作を行い、監視もシステム。人が運転することはない。

ミスターリード

日産の同一車線自動車運転技術「プロパイロット」をはじめ、レベル2に相当する自動運転技術を搭載する自動車がすでに発売されています。
レベル2までは運転をサポートするような機能で、自動運転でも運転の主体はドライバーにあります。
レベル3になると運転の主体がシステムに変わり、レベル5ではすべての場所で人が運転しなくなります。
人が運転しないため、ハンドルなどもいらなくなるそうです。

自動運転車と事故にあったら、慰謝料は誰に請求すればいい?

ミスターリード

アメリカでは、自動運転車による死亡事故も発生しており、「本当に安全なのか?」、「誤って交通事故が起きてしまわないのか?」と不安に思っている人もいるかもしれません。
もしも、日本国内でシステムが監視をする自動運転車が普及し、交通事故が起こった場合、事故の責任は誰にあるのでしょうか?

弁護士法人FLAT平林真一弁護士

自動運転で交通事故が発生した場合の賠償責任については、現在、まだ議論がされているところで結論は出ていません。
その中で、自動運転レベル2までは、運転者(または車の所有者)に責任があり、慰謝料の支払いも運転者となるでしょう。

自動運転レベル3の自動車が浸透しても、現在の制度(自賠責保険や任意保険)を適用することに問題はなく、運転者に責任を追求できると考えられているようです。

ただし、自動運転レベル4、5では運転者が運転にまったく関与しなくなります。
そうなると現在の運転の状況とは大きく異なりますので、自賠責法や任意保険の仕組みを検討し直す必要があります。

運転者とメーカーのどちらに責任があるのか、注意義務のあり方の違いなどを検討することになると考えられます。

自動運転車の事故だと慰謝料の請求内容は変わる?

ミスターリード

これまでの交通事故と大きく変わっていくのは、自動運転レベル4が浸透した頃になりそうですね。
自動運転者での事故の責任だけでなく、被害者が加害者に請求できる内容や起こり得るトラブルも変わってくるのでしょうか?

弁護士法人FLAT平林真一弁護士

治療費や慰謝料など損害賠償として請求できる項目に関しては、自動運転車でも違いはないと考えています。

いっぽうで注意したいのが事故の責任です。
通常、交通事故が発生した場合は、運転者の不法行為責任を追求していきますが、自動運転車では運転者は車を操作しません。
そのため、これまでと同様の責任追及ができるのか、運転者に故意や過失があったといえるのかが争点になるでしょう。

交通事故の慰謝料請求では、賠償金額とともに過失割合も決めていきます。
しかし、自動運転の場合、過失割合の数値がどうなるか以前に、過失相殺をできるかがポイントになると考えられるからです。

仮に自動運転車ではメーカーに交通事故の責任があるとなった場合、メーカーにどのような注意義務があったか、何が起きると注意義務を怠ったといえるのかは、現在の交通事故にはない問題です。

乗っていた自動運転車が交通事故や交通違反をしたら

ミスターリード

自動運転車に乗っていた側の立場でも考えてみましょう。
乗っていた自動運転車が事故を起こし、被害者への慰謝料を支払うことになった場合、「運転していない自分に責任があるのはおかしい」と、運転者からメーカーに損害賠償は請求できるのでしょうか?

弁護士法人FLAT平林真一弁護士

自動運転車の運転者が自動車メーカーに損害賠償請求ができるかは、まだ議論がされている最中です。

ただし、もしも、交通事故の原因が自動運転のシステム上の問題にあったのであれば、運転者がメーカーに対して損害賠償を請求することは可能になると考えられます。

ミスターリード

交通違反の場合はどうですか?
システムの不具合などで乗っていた自動運転車が信号無視をすることだってあるかもしれません。
それで取り締まりを受け、反則金を支払うことになったら…。

弁護士法人FLAT平林真一弁護士

交通違反の反則金についても、現在議論がされているところです。
現在の道路交通法は自動運転を想定していませんので、自動運転中の交通違反にも対応できるように変更されていくと想定されます。

ミスターリード

自動ブレーキや運転支援は運転ミスによる事故を防ぐことにつながるため、自動運転の普及により交通事故が減ることが期待されています。
いっぽうで、完全自動運転が浸透すると、これまでは想像できなかった交通事故が発生する可能性もあります。
自動運転の発展とともに、自動車に関わる法律や保険がどのように変化していくのかにも注目ですね。

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