交通事故による高次脳機能障害

高次脳機能障害の疑いがある方、
ご家族へ
高次脳機能障害とは、交通事故で負った脳の損傷などで記憶障害が残ったり、人格が変化してしまったりする後遺症です。
日常生活に大きな支障をきたす後遺症が残る場合もあれば、ご本人でも気づかないような些細な変化が残る場合もあります。ご家族の方は、事故前と比べて被害者の方の行動や性格に変化が出ていないか注意してみてください。
高次脳機能障害は、後遺障害等級の認定を受けることで、後遺障害慰謝料の請求が可能になります。
  1. 1. 高次脳機能障害を発症する原因
  2. 2. 高次脳機能障害の症状
  3. 3. 認定される後遺障害等級
  4. 4. 支払われる後遺障害慰謝料の金額

1. 高次脳機能障害を発症する原因

高次脳機能障害は、脳の損傷で発症する後遺症です。

脳の血管が詰まる(脳血管障害)、外部から強い力が急激に加わって脳が損傷する(外傷性脳損傷)、脳の酸素が不足する(低酸素脳症)などが原因で、交通事故では、主に外傷性脳損傷で発症をします。

また、病院では、脳挫傷、くも膜下出血、びまん性脳損傷などと診断されます。

ミスターリードの
かんたん解説
外傷性ではありますが、目には見えないケガのため、ご本人でも気がつかない恐れがあります。交通事故で頭を打ち付けた場合は、異常がないように見えても事故後に必ず病院へ行き、診察を受けることが大切です。

2. 高次脳機能障害の症状

高次脳機能とは、2つある脳の機能の一つです。

脳の働きは、一次機能と高次脳機能に大きく分けることができます。

一次機能は「光や音を脳に伝える」、「手足を動かす」などを行う機能です。

高次脳機能は、一次機能で得た情報をもとに、「理解する」、「記憶する」、「行動する」などが当てはまります。

つまり、高次脳機能障害になると、「考える」、「覚える」といった、これまで当たり前のように行っていたことに支障が出てしまうのです。

具体的には、「集中力がなくなり本を最後まで読めなくなる」、「ご飯を食べたか忘れてしまう」といったことが挙げられます。

「事故以前は温厚だった人が怒りやすくなってしまった」など、性格が変わってしまうこともあります。

高次脳機能障害の主な症状は下記のように分けられています。

記憶障害

  • 道がわからなくなってしまう
  • 少し前にしたことを忘れてしまう
  • 昔のことを思い出せなくなる
  • 事故後のことが覚えにくくなる

など

注意障害

  • 集中力が散漫になる
  • 疲れやすくなる
  • 周りで起こったことに気がつかなくなる
  • 同じことを何度も言ってしまう

など

遂行機能障害

  • 計画を立てられなくなる
  • 計画通りに物事を進められなくなる
  • 臨機応変な対応ができなくなる

など

社会的行動障害

  • ボーッとするようになる
  • 怒りやすくなる
  • 情緒不安定になる
  • 子どもっぽくなる
  • 会話が噛み合わなくなる

など

失語症・失行症・失認症

  • 言葉が出てこなくなる
  • 言い間違えが多くなる
  • やり方がわからなくなる
  • 物を理解できなくなる

など

ミスターリードの
かんたん解説
障害の程度は人それぞれです。一人で行動することが難しく、常に介護を必要とする場合もあれば、一見、何も障害を抱えていないように見える場合もあります。

3. 認定される後遺障害等級

高次脳機能障害では、後遺症の程度に応じて6つの後遺障害等級が設けられています。

高次脳機能障害で認定される後遺障害等級

第1級(要介護)
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級(要介護)
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
第3級
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
第5級
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第7級
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第9級
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

「自賠法施行令別表第1および第2」より

後遺障害の等級認定では、頭部のCT、MRIなどの画像検査で高次脳機能障害に繋がる脳の損傷を確認できるかが、まず重要視されます。

画像検査を含め、下記のいずれかに該当すると後遺障害等級が認定される可能性があります。

  1. 事故発生時の頭部画像で頭部外傷の診断があったこと
  2. 初診時に重い意識障害(半昏睡や無反応など)が6時間以上あった
  3. 事故発生から1週間以上、軽い意識障害があった
  4. 医師により高次脳機能障害、脳挫傷などの診断がされていた
  5. 知能検査、記憶検査などの検査で異常が認められた

高次脳機能障害が疑われる症状が出ていても、画像検査では脳の損傷を確認できないこともあります。

また、適切な後遺障害等級を判断することが難しく、一度の後遺障害認定では、納得がいく結果にならない可能性もあります。

後遺障害等級の認定を受けるポイントは「高次脳機能障害の治療やリハビリ方法。後遺障害認定のポイントは?」で詳しくご説明しています。

ミスターリードの
かんたん解説
正しい後遺障害等級の認定を受けるには、交通事故に関する専門的な知識が必要です。ご本人やご家族で対応するよりも、弁護士に相談して進めることをおすすめします。

弁護士に
後遺障害認定の相談をする

高次脳機能障害がむち打ちと判断される?

高次脳機能障害では、比較的症状が軽く、日常生活を過ごせる範囲の後遺症が残ることもあります。

ただし、わずかな後遺症であっても、記憶や性格に影響する後遺症が残るのはとても重大なことです。

しかし、後遺障害等級の認定結果で高次脳機能障害と認められず、むち打ちなどで認定される後遺障害等級12級や14級が認定されることがあります。

このようなトラブルは、主に軽度外傷性脳損傷(MTBI)を発症しているケースで起こり得ます。

MTBIは、むち打ちが原因で脳に負担をかけてしまう症状のことで、高次脳機能障害に繋がることもあるケガです。

そのため、事故被害者は、高次脳機能障害の症状があるとして後遺障害等級の申請を行うのですが、むち打ちとしか認定されず、自覚症状と認定結果が大きくズレてしまう場合があります。

認定結果に納得できない時は、弁護士などの専門家に相談をして、高次脳機能障害が認定される可能性はないか確認していくことが大切です。

4.支払われる後遺障害慰謝料の金額

後遺障害等級の認定を受けると、相手保険会社に後遺障害慰謝料を請求することができます。

被害者の方とご家族が、これから生活していくための大切なお金となりますので、すぐに示談せず、適切な金額の後遺障害慰謝料を受け取れるように交渉を重ねましょう。

高次脳機能障害の慰謝料請求で、弁護士が金額を計算をする際に用いる裁判基準と、示談をする場合の相場金額をご案内します。

後遺障害等級 裁判基準 相場
ミスターリード算出
第1級
(要介護)
2800万円 2240万円
第2級
(要介護)
2370万円 1900万円
第3級 1990万円 1590万円
第5級 1400万円 1120万円
第7級 1000万円 800万円
第9級 690万円 550万円
ミスターリードの
かんたん解説
相手保険会社が提示する金額は、相場よりも低額なことがほとんどです。そのまま示談をすると、受け取る慰謝料が相場よりも数百万円少なくなるケースもありますのでご注意ください。

Mr.リードからあなたへ

もし、高次脳機能障害の症状に当てはまるような症状があり、まだ検査などを受けていない場合は、今からでも病院でしっかりと検査を受けてください。

後からでも、後遺障害認定を受けられる可能性があります。

また高次脳機能障害の手続きは困難が予想されます。

弁護士のサポートを受けて、後遺障害認定と慰謝料請求で後悔のない結果を目指しましょう。

「いつ」「だれに」「なにを」相談すればいいかすぐわかる!

診断して頼りになるミカタを手に入れよう!かんたん1分!いますぐ交通事故診断

診断からの問い合わせで交通事故後のお金と暮らしのはなしが見られる!※メール問い合わせをした方のみ
  • 当サイトは、公開前に顧問弁護士が内容をチェックし、信頼できる情報の提供に努めています。
  • 当サイトの著作権は、株式会社スタイル・エッジに帰属します。無断で複製、転載、配布などの行為を行うことは一切禁止とします。
  • 掲載している内容は、一般的に多い事象をもとに作成しています。具体的な問題解決については、弁護士などの専門家に直接お問い合わせください。ミスターリードの交通事故診断へ