家族にできる3つのこと
交通事故で「植物状態」(医学の言葉では「遷延性意識障害」と言います)になってしまった際に、ご家族が行うべき対応は、大きく下記の3種類に分けることができます。
- 加害者に対する賠償金の請求
- ご家族が行う手続き
- 職場への連絡、契約サービスの確認
このうち加害者に対する賠償金の請求については、「交通事故被害でご家族が植物状態になってしまったら…」でご説明していますので、ご確認ください。
「ご家族が行う手続き」と「被害者の関係各所への連絡」について、順番にご説明します。
家族が行う手続き
まずご説明するのは、交通事故で「植物状態」になってしまった方のご家族が行うべき手続きです。
交通事故被害者に代わって賠償金の請求を行う際や、交通事故後の生活の不安を少しでも解消するために、次の手続きが必要となります。
「成年後見人」の選定
交通事故被害者に代わってご家族が後遺障害等級申請・賠償金の請求を行う場合、「成年後見人」というものに選定されている必要があります。
成年後見人は、家庭裁判所に申し立てを行うことで選定されます。
成年後見人の手続きを弁護士に依頼することや、依頼した弁護士が成年後見人となることもできます(※)ので、ご家族だけで悩まず、弁護士のサポートを受けて進めていくようにしましょう。
- ※被害者のご家族の間で、管理する財産について意見の不一致がある場合などには、第三者的な立場の弁護士が選定されることもあります。
「身体障害認定」の申請
植物状態となってしまった場合、国が定める「身体障害認定」の、1級または、2級に該当するケースが多いです。
身体障害認定を受けることで、治療費が無料または大幅に減額となったり、「障害年金」が受給できたりするなど、自治体から経済面でのサポートを受けることができるケースが多くあります。
なお、「身体障害認定」の申請は、症状固定や後遺障害等級の認定を待たずに行うことができます。
賠償金の「内払い」の請求
交通事故被害者の症状が重篤な場合、賠償金の示談成立まで数年かかってしまうケースも少なくありません。
治療費は加害者側の保険会社が立て替えたとしても、生活費などの捻出はご家族にとって大きな負担となってしまいます。
このような場合、示談成立前であっても、賠償金の一部を先に支払うよう、保険会社に求めることができます(先に支払われるお金を「内払い」と言います)。
内払いを請求するからといって、賠償金額が下がるようなことはありません。
介護にあたるご家族が金銭面で苦しい思いをすることがないよう、内払いの請求をおすすめします。
詳しくは「交通事故後の生活費に困った際の解決方法は、内払いや慰謝料の前払い!」をご覧ください。
職場への連絡、契約サービスの確認

賠償金や障害に関する手続きだけでなく、交通事故被害者の職場への連絡や契約しているサービスなどの確認も、ご家族ができる対応です。
次の2点の対応は、忘れずに行うようにしましょう。
職場への連絡
被害者が働いていた会社へ連絡をし、会社との契約の相談をしましょう。
休職として扱ってもらうことができないか相談しても良いでしょう。
休業補償を受けることができれば、経済的な負担を緩和することができます。
残念ながら退職せざるを得ない場合は、保険を健康保険から国民健康保険に変更する、厚生年金を国民年金に変更するなどの手続きを行う必要があります。
契約サービスの確認
携帯電話、銀行の口座、生命保険など、交通事故被害者が契約していた各種サービスの確認を行うようにしましょう。
携帯電話など、月額料金が発生するサービスは、解約するか検討し、各会社に連絡を入れましょう。
また、ローンを支払っている場合、銀行の口座に残高がないため滞納となり、差し押さえ処分となることもありますのでご注意ください。
また、交通事故被害者が生命保険に加入している場合、植物状態が保険金の支払い要件に該当している可能性もあります。
契約内容を確認し、必要に応じて保険金の申請を行うようにしてください。
家族だけで抱え込まず、弁護士に相談を
ご家族が行う対応はこのようにたくさんあります。
交通事故被害者の介護を行いながらこれらの対応に加えて、後遺障害等級の申請や賠償金の示談交渉を行うのは、心身ともにとても大きな負担となってしまいます。
ミスターリードを通じて相談できる弁護士は、病院やご自宅へ伺うなど、ご家族の状況を理解した上で最大限のサポートをしてくれる弁護士ばかりです。
どうかご家族だけで頑張ろうとせず、弁護士のサポートをご活用ください。
Mr.リードからあなたへ
交通事故被害者の救済に力を入れている弁護士は、「被害者やご家族の不安や負担を少しでも緩和したい」という想いで活動しています。
きっとご家族を支える心強い存在となってくれます。弁護士のサポートを受けながら、一緒に大切な方を支え続けていきましょう。
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