交通事故コラム

腕や脚の可動域制限、外貌醜状など後遺障害・賠償金に関連する症状

交通事故被害でむち打ちと同じように多いのが、腕や脚を骨折してしまったことによる後遺障害です。また、顔面に傷跡が残ってしまう外貌醜状で悩む被害者も大勢います。
どちらも後遺障害に認定され、「逸失利益」「後遺障害慰謝料」などの賠償金とも関係が深いケガです。ここでは、腕や脚の骨折、顔の傷跡の後遺障害と賠償金について詳しくご説明したいと思います。

肩・肘・手首の後遺障害「可動域制限」

交通事故によるケガで多いもののひとつに、腕(肩・肘・手首)の骨折があります(肩・肘・手首のことを上肢といいます)。

骨折をした場合に残りやすい後遺症が、関節を交通事故以前と同じように動かせなくなってしまう「可動域制限」です。鎖骨上腕骨などの骨折で可動域制限の後遺症が残る可能性があります。

また、可動域制限は、骨折だけでなく脱臼や、靱帯、腱などを損傷した場合、神経損傷のまひでも後遺症として残る場合があります。

具体的には、次の動作を骨折していないほうの腕と同じようにできない場合は、可動域制限の可能性があります。

肩の可動域制限

  • 肘を曲げずに腕を前から上にあげる動作
  • 肘を曲げずに腕を横から上にあげる動作
  • 肘を曲げずに腕を横から上にあげる動作
  • 肘を90度に曲げた状態で腕を体の内側と外側に動かす動作

肘の可動域制限

  • 腕を肩から水平に伸ばした状態で肘を曲げる動作

手首の可動域制限

  • 手首を前と後ろに動かす動作
  • 手首を内側と外側に動かす動作

可動域制限が残ってしまった場合は、後遺障害等級の申請をするようにしましょう。
可動域制限は上肢の後遺障害として、骨折をしていない腕と比べ、どの程度動かせないかによって、後遺障害等級が次のように決められています。

肩・肘・手首の後遺障害等級

後遺障害
第1級4号
両腕の肩・肘・手のすべてがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限され、指もまったく動かせない場合
後遺障害
第5級6号
片腕の肩・肘・手のすべてがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限され、指もまったく動かせない場合
後遺障害
第6級6号
片腕の肩・肘・手のうち、2つがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限される場合
人工関節、人工骨頭を入れ、可動域が1/2以下に制限される場合
後遺障害
第8級6号
片腕の肩・肘・手のいずれかがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限される場合
人工関節、人工骨頭を入れ、可動域が1/2以下に制限される場合
後遺障害
第10級10号
片腕の肩・肘・手のいずれかの可動域が1/2以下に制限される場合
腕を内側または外側に回す動作が1/4以下に制限される場合
人工関節、人工骨頭を入れた場合
後遺障害
第12級6号
片腕の肩・肘・手のいずれかの可動域が3/4以下に制限される場合
腕を内側または外側に回す動作が1/2以下に制限される場合

股・膝・足首の後遺障害可動域制限

腕の骨折同様、脚の骨折でも、関節の可動域制限の後遺症が残ってしまうケースが多くあります。大腿骨(太もも)脛骨(すね)の骨折などで可動域制限の後遺症が残る可能性があります。

脚の場合は股・膝・足首を下肢と呼び、次の動作を骨折していないほうの脚と同じようにできないときは可動域制限の後遺障害等級が認定される可能性があります。

股の可動域制限

  • 仰向けに寝た状態で膝を曲げて脚を上げる動作
  • うつ伏せに寝た状態で膝を曲げずに脚を上げる動作
  • 仰向けに寝た状態で脚を伸ばしたまま内側と外側に動かす動作
  • 仰向けに寝た状態で膝を曲げて脚を上げ内側と外側に動かす動作

膝の可動域制限

  • うつ伏せに寝た状態で膝を曲げて脚を上げる動作

足首の可動域制限

  • 足首を前後に動かす動作

股・膝・足首の後遺障害等級

後遺障害
第1級6号
両脚の股・膝・足首のすべてがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限され、指もまったく動かせない場合
後遺障害
第5級7号
片脚の股・膝・足首のすべてがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限され、指もまったく動かせない場合
後遺障害
第6級7号
片脚の股・膝・足首のうち、2つがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限される場合
人工関節、人工骨頭を入れ、可動域が1/2以下に制限される場合
後遺障害
第8級7号
片脚の股・膝・足首のいずれかがまったく動かない、または可動域が10%以下に制限される場合
人工関節、人工骨頭を入れ、可動域が1/2以下に制限される場合
後遺障害
第10級11号
片脚の股・膝・足首のいずれかの可動域が1/2以下に制限される場合
人工関節、人工骨頭を入れた場合
後遺障害
第12級7号
片脚の股・膝・足首のいずれかの可動域が3/4以下に制限される場合

可動域制限が残った場合の賠償金

腕、脚ともに可動域制限が残ってしまった場合、まずは制限される動きに適した後遺障害等級の認定を受けることが大切です。その上で、妥当な逸失利益後遺障害慰謝料を請求しましょう。

特に、可動域制限では、思うように腕や脚を動かせなくなってしまったことにより、将来得られるはずだった収入が減ってしまうなど仕事への影響が出やすく、主婦の場合は、家事に影響が出てしまうこともあります。

そのため賠償金の示談交渉では「逸失利益」が大きなポイントとなります。逸失利益の計算は複雑で専門知識を必要とするため、弁護士に相談してみるのがオススメです。

顔に傷が残った場合の後遺障害と賠償金

交通事故によって顔や頭部、首にケガをし、傷跡などが残ってしまう後遺症のことを「外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)」といいます。
線のように残ってしまう傷(線状痕)、やけどの痕などの傷(瘢痕)などが外貌醜状に該当します。

外貌醜状では、傷跡が残った場所大きさによって後遺障害等級が次のように決められています。

外貌醜状の後遺障害等級

後遺障害
第7級12号
頭部に手のひらの大きさ以上の瘢痕が残った場合
頭蓋骨に手のひらの大きさ以上の欠損があった場合
顔に鶏卵の大きさ以上の瘢痕、または10円玉以上の組織陥没が残った場合
頸部に手のひらの大きさ以上の瘢痕が残った場合
後遺障害
第9級16号
顔に5cm以上の線状痕が残った場合
後遺障害
第12級14号
頭部に鶏卵の大きさ以上の瘢痕が残った場合
頭蓋骨に鶏卵の大きさ以上の欠損があった場合
顔に10円硬貨以上の瘢痕、または3cm以上の線状痕が残った場合
頸部に鶏卵の大きさ以上の瘢痕が残った場合

顔に傷が残ってしまうことによる精神的な苦痛はとても大きなものです。「後遺障害慰謝料」は裁判基準に沿って請求し、妥当な補償を得られるようにしましょう。

また、外貌醜状によって人と接する機会の多い仕事をされていた方は転職や部署移動を余儀なくされたり、学生や子供の場合は将来の仕事の選択肢が制限されたりしてしまうこともあります。
このような外貌醜状による仕事への影響は、「逸失利益」として請求することが可能です。

ただし、外貌醜状では、日常の動作に影響がないことなどから、保険会社が逸失利益の支払いを認めようとしないケースもあります。保険会社とトラブルになりそうな場合は、早めに弁護士に相談をするようにしましょう。

Mr.リードからあなたへ

可動域制限も外貌醜状も一人ひとり症状が違い、仕事などによって妥当な賠償金は異なります。ぜひ弁護士のサポートを受け、あなたにとって適切な「逸失利益」と「後遺障害慰謝料」を勝ち取ってください。

弁護士は、後遺障害等級の申請、等級に納得がいかない時の異議申立て、保険会社との示談交渉で、最適なサポートをしてくれますよ。

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