「TFCC損傷」とは?
「TFCC損傷」というケガは聞き慣れない方がほとんどだと思います。
「TFCC損傷」とは手首の軟骨や靭帯を損傷してしまうケガのことです。
交通事故では転倒して手をついた際など、手首に強い衝撃が加わることで軟骨や靭帯にケガをしてしまう可能性があります。
「TFCC損傷」のケガの症状は手首の痛みやしびれです。
痛みは手首を捻った時に出て、場合によっては痛みが強く、手首を思うように動かせなくなることもあります。

また、聞く機会の少ないケガのため、捻挫などかと思ってしまい「TFCC損傷」だと気が付かずにいる交通事故被害者もいます。
手首に違和感があったら、MRI検査などの必要な検査を受け、検査結果から「TFCC損傷」であることを証明することが、後遺障害等級の認定を受ける際に大切です。
「TFCC損傷」で認定される後遺障害等級
「TFCC損傷」によって認定される後遺障害等級は、手首の動作に制限(手首の可動域制限)がある場合とない場合によって変わってきます。
「TFCC損傷」の後遺障害等級を下記にまとめてみました。
「TFCC損傷」によって認定される後遺障害等級
可動域制限がある場合 | 後遺障害第10級10号 |
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後遺障害第12級6号 | |
可動域制限がない場合 | 後遺障害第12級13号 |
後遺障害第14級9号 |
- ※「後遺障害等級表」を参照。
「脊髄損傷」とは?
「脊髄損傷」は、交通事故の際に脊髄に強い力がかかると負ってしまう可能性があるケガです。
脊髄を損傷してしまうと脳から体を動かず合図が各部位に届けられなくなり、特定の腕や足を動かせなくなってしまったり、動かせてもできることが限られてしまうなどの「後遺症」が残ります。
重篤な場合だと、首から下の体を動かせず、感覚もなくなってしまうこともあります。
病院の診断結果では、「脊髄損傷」「頸椎損傷」「中心性脊髄損傷」などと診断されます。
「脊髄損傷」は完治することがとても難しいケガとされており、後遺症が残ってしまった場合、その後の生活は「脊髄損傷」による後遺症を抱えながら生活していかなければならず、適切な後遺障害等級の認定を受け、妥当な慰謝料や逸失利益を勝ち取ることがとても大切になってきます。

「脊髄損傷」の症状の分類
「脊髄損傷」は、症状の度合いと、症状を発症する部位によって次のように分けられており、症状によって認定される後遺障害等級も異なります。
脊髄損傷の度合い
完全麻痺(完全損傷) | 神経の伝達機能が完全に失われてしまった状態のことを指します。 損傷してしまった脊髄の場所によって腕や腰、足などを動かせなくなってしまったり、感覚が失われてしまったりする他、体温調整や代謝にも「後遺症」が残ってしまいます。 |
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不全麻痺(不全損傷) | 感覚はあるものの、一部の部位を自分の意思で動かせない、または動きが鈍くなってしまうことです。 |
脊髄損傷の部位
四股麻痺 | 脊髄損傷によって両方の腕と足が麻痺してしまう症状のことです。 |
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片麻痺 | 脊髄損傷によって片方の腕と足が麻痺してしまう症状のことです。 |
対麻痺 | 脊髄損傷によって両腕または両足が麻痺してしまう症状のことです。 |
単麻痺 | 脊髄損傷によって片方の腕または足が麻痺してしまう症状のことです。 |

「脊髄損傷」で認定される後遺障害等級
「脊髄損傷」による後遺障害等級は、ご紹介した「脊髄損傷」の度合い、部位と麻痺の程度によって後遺障害第1級から第12級が認定されます。
認定される「後遺障害等級」ごとに「後遺症」の程度をまとめてみました。
認定される後遺障害等級と「脊髄損傷」の症状
後遺障害第1級1号 | 四股麻痺、対麻痺 ※麻痺の症状が重く、全く動かせない場合や、わずかに動かせるものの常に介護が必要な場合など |
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後遺障害第2級1号 | 四股麻痺、対麻痺 ※日常生活の多くのケースで介護が必要なほど体を動かせない場合など |
後遺障害第3級3号 | 四股麻痺、対麻痺 ※体を思うように動かせず、日常生活に非常に大きな影響はあるものの、介護は必要としない場合など |
後遺障害第5級2号 | 対麻痺、単麻痺 ※体を思うように動かせず、日常生活に大きな影響がある場合など |
後遺障害第7級4号 | 単麻痺 ※体を思うように動かせず、日常生活に影響がある場合 |
後遺障害第9級10号 | 単麻痺 ※体を思うように動かせず、日常生活に影響がある場合 |
後遺障害第12級13号 | 日常生活への支障が少ない麻痺や感覚障害が残った場合 |
- ※「後遺障害等級表」を参照。
脊髄損傷で受ける検査、後遺障害の等級認定のポイントについては、「交通事故による脊髄損傷。後遺障害等級の申請のポイントは?」をご覧ください。
Mr.リードからあなたへ
交通事故で負う可能性があるケガとして「TFCC損傷」と「脊髄損傷」をご説明しました。交通事故では、事故の状況によってさまざまなケガを負ってしまう可能性があります。
想定もしなかった部位に症状が出る可能性もありますので、交通事故以前と比べて少しでも違いがあったら医師にきちんと説明することが大切です。
また、どちらも後遺障害等級の認定でトラブルの多い後遺症です。
適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、弁護士に相談するのがオススメですよ。
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