「歩きスマホ」「ながらスマホ」で緊急搬送された人は増加傾向
東京消防庁が「歩きスマホ」、「ながらスマホ」に関する統計を発表しています。
この統計によると、平成29年に、歩きながら、または自転車に乗りながらスマートフォンや携帯電話を操作していた方が救急車で緊急搬送されたケースが少なくても32件あったとのことです。
平成29年こそ人数が減っていますが、その前年には58人の方が緊急搬送されています。

また、過去5年間で緊急搬送された計199人のうち、スマホや携帯電話を操作していた人が84人、画面を見ていた人が51人おり、歩きスマホで緊急搬送された人のうち、約7割の人の視線はスマホに向いていたと言えます。
ゲーム、動画、ネットニュースなどをやりながら、見ながらの移動時はやはり危険です。
駅のホームでスマートフォンを操作しながら歩いていて、ホームに落ちてしまったというニュースが報じられることがありますが、交通事故も同様に注意しなければいけない問題です。
「ながらスマホ」が原因で起こった悲惨な交通事故
自転車に乗りながら、自動車を運転しながらスマートフォンや携帯電話を操作することは、悲惨な交通事故を起こす原因にもなりかねません。
実際に被害者にケガをさせてしまい、高額の賠償金を支払うことになった自転車事故も起こっています。
中には、「ながらスマホ」が原因の死亡事故も発生しています。
携帯電話を操作中に歩行者と衝突。賠償金5000万円の支払い
夜間に無灯火で携帯電話を操作しながら自転車に乗っていた女子高校生が前方を歩行中の女性と衝突。
自転車事故が原因で女性に「後遺症」が残ってしまい、加害者の女子高校生に賠償金5000万円の支払いが命じられた(平成17年11月25日横浜地裁判決)。
ゲームしながら運転をし、横断中の小学生と衝突した死亡事故
スマートフォンでゲームをしながらトラックを運転し、横断歩道を渡っていた小学生をはねて現行犯逮捕。
小学生は搬送先の病院で死亡。
「歩きスマホ」によって過失が付く可能性も
自転車や自動車を運転する際だけでなく、歩いている時もスマートフォンの操作は交通事故の原因になり得ます。
また、「歩きスマホ」の最中に交通事故に遭ったことで、歩行者にも交通事故の責任が問われることもあるでしょう。
「歩きスマホ」をしていた人と自転車による自転車事故で、歩行者に過失(交通事故の責任)がついたケースもあります。

スマホ操作による前方不注意で歩行者に1割の過失が付く
「歩きスマホ」をしていた歩行者と自転車が衝突した自転車事故で、裁判所は「携帯電話の操作に集中して前方に注意を払うことなく歩いていた」と判断し、歩行者に1割の過失を認めた(平成26年1月15日福岡地裁判決)。
Mr.リードからあなたへ
ぼくもスマートフォンを愛用していますが、移動中は使わないようにしています。「歩きスマホ」、「ながらスマホ」は危険ですからね。
皆さんも、スマートフォンが原因で交通事故に巻き込まれないよう、また、交通事故を起こしてしまわないよう、使い方には十分気を付けましょう。
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