冬型交通事故は9割以上がスリップ事故
はじめに、北海道警察が発表している「冬型交通事故の実態」を参考に、冬、雪道での事故について確認していきましょう。
平成29年度は、冬期間(11月〜翌年3月)に発生した交通事故が4,651件あり、そのうち977件がスリップなどの冬型交通事故で、その9割以上がスリップ事故だったようです。
死亡事故も14件発生しています。
冬型交通事故の発生状況

- ※北海道警察本部交通企画課「冬型交通事故の実態(平成30年版)」を参照。
こちらのデータによると、平成29年度に発生した冬型交通事故の90%以上にあたる909件の事故原因がスリップでした。
やはり、雪道の運転では路面凍結などによるスリップに十分気をつけて運転しないといけませんね。
ほかには、視界不良やわだち(車の車輪跡)などが原因の事故も発生しています。
チェーン未装着や通常のタイヤで事故にあったら

万全の対策をして運転をしてもスリップをする場合があるのが雪道。
チェーンを付けていない、スノータイヤやスタッドレスタイヤではない状態で走行するのは非常に危険です。
滑り止め対策せずに雪道を運転することは、道路交通法や各都道府県の道路交通規則などに違反する可能性があります(詳細は都道府県によって異なります)。
また、大雪特別警報が出ている際などは、国土交通省が「チェーン装着義務」を発表することもあります。
チェーン装着義務は、一部の国道や高速道路が該当し、義務が出ている道路はスタッドレスタイヤも走行不可となります。
雪道でのスリップ事故は過失割合がトラブルに
雪道の交通事故では、相手方と過失割合の主張が食い違うことがあります。
スリップ事故の場合、通常の道路であればスリップ跡が残っているのですが、雪道の場合は、雪解けや積雪によりスリップ跡がすぐ消えてしまうことも多いです。
そのため、どちらかがスリップをしていたとしても、その証拠であるスリップ跡がなく、お互いの主張が食い違うことがあります。
また、チェーン未装着や冬用タイヤへの履き替えをしていなかった場合、それだけで必ず過失が重くなるわけではありませんが、過失割合の決定に影響する可能性はあります。
もし、あなたが滑り止め対策未実施だったら、相手方があなたの過失を主張してくることは十分に考えられるでしょう。
そのような際に相手の主張をそのまま向け入れると、自分に不都合な内容で示談をすることになりかねません。
現在、過失割合や慰謝料の交渉をしている方は、そのまま示談せず、一度弁護士に相談することをおすすめします。
積雪後の路面凍結に注意!自損事故で加害者になることも

雪道でのスリップは、ガードレールなどに衝突する自損事故を起こすおそれもあります。
自損事故で自動車を破損した場合、修理費の支払いは加入している任意保険のタイプによって異なりますので、保険会社に確認してみましょう。
また、スキーやスノーボードなどに出かけ、友人や知人を車に乗せて雪道を運転していて自損事故を起こして同乗者がケガをした場合、運転者が治療費や慰謝料を支払うことになる可能性があります。
自分が加害者となり、友人や知人から賠償請求を受けてしまうおそれがありますので気をつけましょう。
同乗者の賠償請求は「同乗者の慰謝料請求はどうなる?助手席で交通事故にあったら」で詳しくご説明しています。
普段、雪道を走行しない人が気をつけることは?
首相官邸のホームページに、雪道での交通事故の注意点として次の3つのことが掲載されています。
- 降雪が1cm以上の時は非常に滑りやすい圧雪に注意!
- アイスバーンに注意
- ブラックアイスバーンに注意!
降雪が1cm以上あり、雪が降った後早い時期(おおよそ24時間以内)は、圧雪(踏み固められた雪)という非常に滑りやすい状態になりやすいようです。
ドライバーからは、白く、表面のみが凍って光沢のあるように見えます。
また、路面が凍った状態のアイスバーンに加え、ただの濡れたアスファルトのように見えても、非常に滑りやすいブラックアイスバーンになっていることも。
低気温時は「路面が黒く見えたら要注意!」です。
さらに、路面の凍結が発生しやすい場所として信号交差点、橋げた、トンネルなどの出入り口が挙げられています。
スキーやスノーボードへ行く際にだけ雪道を運転する人や、積雪することが少ない地域にお住まいの方は十分にご注意ください。
視界不良の時は無理して運転をしないほうがいいかもしれませんね。
視界が良い時でも、雪道の運転は十分注意しましょう。
Mr.リードからあなたへ
雪道での運転は、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの装着はもちろん、車間距離をいつも以上に取るなど、安全運転を心掛けましょう。
万が一、交通事故にあった場合は、ケガや事故の程度に関係なく警察や専門家に連絡をし、トラブルを最小限に防ぎましょう。
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