なぜ、示談することが多い?
交通事故の慰謝料請求では、裁判をする前に相手保険会社と示談交渉をすることが一般的で、示談が成立するケースが多いです。
示談交渉は裁判に比べて短期間で終わりますし、増額交渉をすれば裁判をした場合に近い金額の慰謝料をもらえることが多いからです。
裁判はおおごとで、時間もお金もかかってしまいます。
示談内容に100%満足できなくても、裁判まではしたくないと考える人が多いです。
ミスターリードを通じて弁護士に問い合わせた方も、ほとんどが示談で解決しています。
示談不成立の影響とその後
ただし、必ず示談をしないといけないわけではありません。
どうしても納得できないことがあるのなら、示談しないことも選択肢のひとつです。
その場合、示談をする、しないの決断をする前に、示談をしなかった時のことを知っておきましょう。
示談をしないメリットとデメリット、示談不成立の後にできる対応をご説明します。
示談をしないメリットとデメリット
メリットは、裁判などで自分が希望する条件が認められる可能性があることです。
「希望する慰謝料が認められない」、「過失割合が折り合わない」などの理由で示談をしたくない方は、裁判によって自分の主張が認められる可能性があります。
いっぽうで示談をしないデメリットは、慰謝料の受け取りが遅くなることです。
示談で解決する場合に比べて、慰謝料の受け取りが数ヶ月から1年程度遅れ、時間がかかる分、労力もかかります。
また、示談交渉時の金額は保証されません。
裁判をした結果、示談交渉の時よりも低い金額の慰謝料しかもらえない可能性もあります。
示談不成立の後にできる対応
示談をしなかった場合、ADR機関の利用や、裁判を起こして解決を図っていきます。
ADRは、中立的な立場から示談や和解のあっ旋などを行ってくれる機関です。
裁判に比べて時間やお金がかからずに解決を図ることができます。
裁判の場合は、民事裁判を起こし、和解や判決による解決を目指します。
先にADR機関を利用し、それでも解決できなかった場合に裁判をすることもできます。
ADRについては「日弁連交通事故相談センターのメリット。紛争処理センターとどちらがいい?」、裁判の流れは「交通事故で民事裁判をする流れ。訴訟手続き・期間。必要な弁護士費用」で詳しくご説明しています。
示談の拒否を後悔しないか考えましょう

本当に示談を拒否して問題ないか、ADRや裁判で争ったら場合のことを事前に考えてみましょう。
示談をしない理由別に、どのような点に注意して判断すればいいか確認していきます。
慰謝料の金額に納得できない
「希望する慰謝料との金額差が大きい」という人は多いと思います。
金額は、示談交渉で保険会社から提示された金額と裁判基準の金額を比べ、どのくらい金額差があるかを確認すると、示談をしないほうがいいかわかってきます。
大きな金額差があれば、示談をせずにADRや裁判で争うことで増額が認められるかもしれません。
いっぽうで金額差があまりない場合は、このまま争い続けても増額できない可能性が高いでしょう。
特別な事情がない場合、裁判基準以上の慰謝料が認められるケースは少ないからです。
また、過失割合が原因で慰謝料が少ない時は、ADRや裁判で現在の過失割合を覆すことができれば、慰謝料が増えます。
過失割合の変更を認めてもらうには、「自分たちが主張する過失割合が正しい」という証拠が必要ですので、根拠があるかないかが重要です。
いずれの場合も、弁護士に相談しながら判断してください。
加害者が許せない
加害者が交通事故を起こしたことや、その後謝罪がないこと、保険会社の対応が悪いなどの理由から、示談を拒否したい方もいると思います。
「示談をして加害者の刑事処分が軽くなるのが嫌だ」というお気持ちがあるかもしれません。
たしかに、示談成立を理由に刑事処分が軽くなることはあります(情状酌量と言います)。
いっぽうで、示談が不成立だから処分が変わるとは限りません。
加害者が示談するために努力していたと判断されれば、示談成立時と同じように処分が軽くなることもあります。
また、金銭面も、示談交渉で相場の慰謝料が提示されていれば、ADRや裁判で結果が大きく変わる可能性は低いです。
それであれば、示談で慰謝料を受け取り、今後のことを考えたほうが自分のためになるかもしれません。
時間がない、やり取りが面倒
「忙しくて示談交渉をしている時間がない」、「保険会社がうっとうしくて、話したくない」といった理由で示談をしていない人は、時間がなくても、面倒でも示談をしてください。
交通事故の慰謝料請求には時効があり、5年が経過すると時効で慰謝料請求できなくなってしまいます(任意保険に請求する場合)。
弁護士などの専門家に依頼をすれば、負担少なく、また直接保険会社とやり取りをすることなく示談をすることができます。
Mr.リードからあなたへ
示談をせずにADRや裁判で争うことも事故被害者の選択肢の一つです。
ただし、示談をしない判断が本当に正しいか、十分考えてから結論を出してくださいね。
また、示談をしないメリットを考えたり、裁判などを行ったりする際は、交通事故に精通した弁護士のサポートが不可欠です。
通事故診断から弁護士に相談できますので、ぜひご利用ください。
まだ一度も専門家に相談していない人は、早めに相談することをおすすめします。
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