示談交渉術ではなく弁護士への相談が出る理由は?
自分で示談交渉をするために交渉のテクニックを調べている人からすれば、「弁護士に相談するのがオススメです」とばかり出てくるのは、ストレスに感じることかもしれません。
しかし、弁護士をおすすめされるのには理由があります。
それは、弁護士に示談交渉を任せることが一番良い結果になるケースが多いからです。
自分で示談交渉をするときのコツはあります(後ほどご説明します)が、それよりも弁護士のほうが、慰謝料の増額が期待できるというわけです。
交渉の相手が弁護士に変わっただけで、被害者本人のときは認めなかった金額の慰謝料を認める保険会社もあると聞きます。
保険会社は、相手が事故被害者なら、「上手く言いくるめられる」、「頑なに拒否をしていれば、本人ではこれ以上は何もできない」と思っているのかもしれません。
しかし、弁護士が相手だと、そうはいきません。
経験値や専門知識は弁護士が上回り、慰謝料増額を認めない場合、裁判になる可能性もあるからです。
保険会社からしてみれば、示談交渉の相手が誰なのかは、大きな違いのようですね。
弁護士は当然そのことを知っています。
だから、自分で示談交渉するより弁護士に相談することをおすすめしているのです。
自分で示談交渉するためのテクニック
「弁護士への相談が一番良い」というのはミスターリードも同意見です。
ただし、弁護士費用の問題などから、弁護士に依頼できない人もいるでしょう。
そこで、自分で示談交渉をする際のテクニックを3つご案内します。
1.裁判基準を根拠に交渉しましょう
交通事故の慰謝料は自賠責基準、任意保険基準、裁判基準という3つの基準をもとに、金額を決めていきます(詳しくは「支払われる慰謝料、金額の基準」をご覧ください)。
自賠責基準の金額が一番低く、裁判基準の金額が一番高額です。
そのため、裁判基準の金額を理解しておけば、保険会社から慰謝料を伝えられた際に、「金額が低いのか」、「いくらまで増額できそうか」といったことがわかります。
そして、慰謝料の増額交渉では増額の根拠が必要です。
根拠がなければ、保険会社がなかなか増額を認めてはくれません。
裁判基準の金額を知っていれば、慰謝料増額の根拠にすることができます。
2.考える時間を作って返答しましょう

保険会社との示談交渉は、電話や書面のやり取りで進めていきます。
保険会社から電話で「いくらお支払いします」、「いくらまで増額しました」と伝えられることがあるかもしれません。
その際に、すぐ回答しないようにしてください。
「良い金額と聞いたけど、実際は違う」、「まだ相場金額より低い」といった可能性があります。
書面をもらってきちんと確認し、金額や内容に問題ないか確認をしてから回答するようにしましょう。
3.慰謝料以外のことも大切に
交通事故で支払われる賠償金は慰謝料だけではありません。
治療費や休業損害、逸失利益なども支払われ、休業損害や逸失利益は、慰謝料より増額できるケースもあります。
また、過失割合も支払われる賠償金に大きく影響します。
「慰謝料を裁判基準まで増額してもらった代わりに、過失割合は保険会社の希望にしたがった」といった場合、過失割合によって賠償金が減り、あまり得をしない結果になる可能性もあります。
最終的に自分にいくら支払われるのか考えて示談交渉をしましょう。
自分で示談交渉する際に気をつけること
つぎにご説明する2つのことは、交渉のテクニックというよりは気をつけたいことです。
自分で示談交渉をするときは、このことを忘れないようにしてくださいね。
わからないときは無理をしないで
自分で調べ、知識やテクニックを身につけたとしても、示談交渉の中で、どう交渉すればいいかわからなくなることもあるでしょう。
その際は、「自分でなんとかできるはず」ではなく、「自分で交渉できるのはここまでかな」と考えるようにしてください。
わからない中で示談交渉を続けるのは、リスクのあることです。
ちょっとしたひと言で自分が不利になり、増額に失敗してしまうかもしれません。
わからないときは、自分だけで無理をしないようにしてくださいね。
示談交渉の体験談は参考にとどめましょう
示談交渉の経験がある知人がいたり、体験談を個人のブログに書いている人がいたりするかもしれません。
そういった示談交渉経験者のお話は参考になります。
ただし、教えてもらったことは、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
交通事故は、一人ひとり事情が大きく異なりますので、経験者の方が上手くいった方法で、ほかの人がうまくいくとは限らないからです。
特に「いくらまで増額できた」など、具体的な金額には注意しましょう。
事故被害者の仕事、ケガの状況、どこの保険会社か、などの事情によって慰謝料の金額は一人ひとり異なります。
弁護士が示談交渉のアドバイスをくれることも

自分で示談交渉をするつもりの人も、話を聞くだけのつもりで一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?
相談をしたら、必ず依頼をしなければいけないわけではありません。
また、弁護士に依頼をしても金銭的なメリットがないことがわかり、「弁護士に依頼するより、自分で交渉したほうがいいですよ。交渉すればいくらぐらいまで慰謝料は上げてもらえるはずです」と教えてくれることもあります。
弁護士のこのアドバイスがあれば、自分での示談交渉もやりやすくなるでしょう。
なお、「依頼したほうがメリットがある」と弁護士が判断をすれば、依頼をすすめられると思います。
その際は、どの方法が自分にとって一番良い解決になるか考え、後悔のない判断をしてくださいね。
Mr.リードからあなたへ
一度示談をするとやり直すことができないケースがほとんど。
「自分で示談交渉をして失敗する前に弁護士に相談してほしい」。
弁護士をおすすめするWebサイトがたくさん表示される背景には、このような想いもあるのだと思います。
ミスターリードもそのひとりです。
「交通事故診断」を通じて示談交渉や慰謝料に関する調べごと、専門家への相談がかんたんにできますので、ぜひ役立ててくださいね。
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