示談金は全額残しておくべき?
示談金を受け取った時に、「全額残しておくか、少しは自分のために使うか」などを考えると思います。
無駄づかいをしたり、すぐに使い切ったりするのは、あまりおすすめできませんが「全額残しておかなきゃいけない」というわけでもありませんので、必要に応じて使っても構いません。
では、どこまで使って大丈夫で、いくらは残しておいたほうがいいのでしょうか?
示談金を、支出、ケガによる損害、後遺障害による損害に分けて考えてみましょう。
支出(治療費、通院交通費など)
支出は、治療費や通院交通費など、すでに支払ったお金。
立て替えていたお金が返ってきたようなものですので、生活費に充てたり、使ったりしても問題はないでしょう。
ケガによる損害(休業損害、入通院慰謝料)
主に休業損害と入通院慰謝料が当てはまります。
どちらも、交通事故から治療終了までの期間にあった損害に対して支払われているため、必要があれば、使っても問題ないと思います。
ケガが原因で収入が減り、貯金を切り崩していた場合は、休業損害で補てんしましょう。
入通院慰謝料は、ケガをしていてできなかったことや、溜まっていたストレスの解消に使ってもいいかもしれません。
ただし、これからの生活のお金が不安な人は、無理に使わないようにしましょう。
後遺症による損害(後遺障害慰謝料、逸失利益)
後遺障害慰謝料も逸失利益もこれからの生活への影響に対して支払われるお金です。
すぐに使うよりも大事に管理することをおすすめします。
特に、逸失利益は将来の収入への影響を補償するお金ですので、大切にしてください。
示談金のおすすめ管理方法は?

つぎに、示談金の管理方法を考えていきましょう。
高額のお金の管理というと、銀行への預金を思い浮かべる人がほとんどだと思います。
資産運用は、どうしても損をするリスクもありますので、リスクを避けるなら預金しているだけで十分です。
すぐに使わないのなら、普通預金ではなく定期預金にしてもいいでしょう。
少しですが、金利が高くなり、利息が増えます。
外貨預金という選択肢もありますが、為替の変動でお金が減るリスクもありますので気をつけましょう。
示談金で資産運用しても良い?
預金は、安心して示談金を管理することはできますが、資産運用としてほとんど期待できません。
普通預金の金利はメガバンクで0.001%、示談金300万円を貯金したとしても金利は30円です。
まとまった金額のお金を受け取り、すぐには使わないから運用を考えたいという人もいると思いますので、示談金による資産運用も考えてみましょう。
リスクが少ないものだと保険会社の個人年金保険があります。
個人年金保険は貯蓄型の保険で、契約時に支払う金額と将来受け取る金額を決め、将来の一定期間または一生涯、年金のような形で保険金を受け取ることができる保険です。
早いうちに解約すると損をする可能性はありますが、年金の支払い開始日まで運用を続ければ利率分が増えて保険金を受け取ることができます。
ほかに、投資信託や株式、FXといった方法もあります。
ご自身の資産で運用経験がある方は把握されていると思いますが、これらの手段は上手に運用すればお金が増える可能性がある一方で、損をするリスクもあります。
経験がない方は、お金の専門家に相談しながら、慎重に検討しましょう。
また、無理に投資せず、示談金とご自身の資産を含めての余剰資金(多少減っても生活に支障がないお金)のなかで、運用を検討することをおすすめします。
資産運用を検討するタイミングは?

ミスターリードでは、以前に示談金の運用についてファイナンシャル・プランナーの橋本浩明さんにお話を伺ったことがあります。
その際に橋本さんは「気持ちの変化や環境の把握できるまでは示談金に手をつけず、一旦は銀行などに預けておくのがオススメ」とおっしゃっていました。
たしかに、示談をして間も無くは、想定外の出費が発生する可能性もあります。
「運転が怖くなりタクシー移動が増えた」、「生活が不自由になって自宅を改築した」、「収入が上がらなくなった」といったこともあり得ます。
出費などが落ち着き、「いくらまでなら使っても大丈夫」とわかるようになってから、資産運用を検討するのが良さそうです。
Mr.リードからあなたへ
示談金での資産運用は、必ずやらなければいけないものではありません。受け取った示談金の使い道を考え、資産運用が必要だと感じたらご検討ください。
また、資産運用を行う際は、リスクがあることを理解した上で自己責任で行うようにしましょう。
資産運用の経験がない、よくわからないという方は、ファイナンシャル・プランナーなど、詳しい方に相談をしながら進めてくださいね。
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