危険な自転車運転で警察に検挙されると…
道路交通法では、自転車による危険行為として、14種の行為が定められています。
これらを行い、警察に3年間で2回以上検挙(取り締まり)をされた場合や、危険行為が原因で事故を起こした場合は、自転車運転者講習を受講しなければいけません。
公安委員会からの受講命令を無視すると、受講命令違反として5万円以下の罰金が科せられます。
自転車の危険行為
- 信号無視
- 通行禁止違反
- 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
- 通行区分違反
- 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
- 遮断踏切立入り
- 交差点安全進行義務違反等
- 交差点優先妨害等
- 環状交差点安全進行義務違反等
- 指定場所一時不停止等
- 歩道通行時の通行方法違反
- 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
- 酒酔い運転
- 安全運転義務違反(スマホのながら運転、傘差し運転、無灯火など)
1回の違反行為で罰則を受けることもある?
また、上記の危険行為や、道路交通法違反、都道府県の条例違反となる自転車運転をして警察から取り締まりを受けると、懲役や罰金などの罰則が科せられる恐れがあります。
取り締まりを受けたからといって、必ず罰則を科せられるわけではありませんが、違反が悪質だったり、交通事故を起こしたりした場合は十分にあり得ます。
科せられる罰則は、違反行為によって異なります。
また、違反行為をしたことで交通事故が発生した場合は、過失割合の判断にも影響してきます。
罰則と過失割合が結びつくわけではありませんが、違反行為は事故の原因となる危険な行為であることが多いため、違反行為をした自転車の過失は、おのずと大きくなりやすいです。
飲酒運転、信号無視、一時停止無視、ながら運転などの罰則と過失への影響を確認していきましょう。
酒酔い、飲酒運転には重い罰則
自転車の飲酒運転は自動車と同じように、重大な事故の原因になりかねません。
そのため、罰則はほかの違法行為よりも重く、「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と定められています。
飲酒運転で交通事故にあった場合は過失割合も変わってきます。
酒酔い運転は「重過失」、酒気帯び運転は「著しい過失」が自転車側にあったと判断され、具体的な数値は事故の詳細により異なりますが、事故の相手が自動車の場合、5%〜15%程度、自転車側の過失が大きくなります。
信号無視での事故は責任が重くなります
自転車に乗っていて信号無視をした場合、「3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」に課せられる可能性があります。
信号無視は、交通事故にも繋がりやすい危険な運転行為です。
そのため、当事者の片側のみが信号無視をしていた場合は、信号無視をした側が事故の加害者となるケースが多くなっています。
事故の詳細 | 過失割合 |
---|---|
同じ道幅の交差点で自転車が赤信号、自動車が青信号の事故 | 自転車80:自動車20 |
自転車が赤信号で直進し、青信号で横断歩道を渡る歩行者と衝突 | 自転車100:歩行者0 |
一時停止無視も過失に大きく影響
自転車も一時停止の標識や停止線があった場合には、一度止まって安全を確認しなくてはいけません。
一時停止無視で警察の取り締まりを受けると、「3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」に課せられる可能性があります。
また、見通しの悪い路地などでは、一時停止無視が原因で出会い頭の衝突事故が発生する危険があります。
たとえば、自転車と自動車による交差点での出会い頭の事故で、自転車に一時停止無視があった場合、過失割合は自転車40対自動車60となります。
一時停止無視がなかった場合の過失割合は自転車20対自動車80ですので、このケースでは、一時停止無視によって過失が20%大きくなったことになります。
スマホも傘もイヤホンも違反?
自転車に乗りながらの通話やメッセージ送信、ゲームの操作など、携帯電話やスマートフォンの操作、雨の日の傘差し運転、イヤホンで音楽を聴きながら自転車に乗るなど、「ながら運転」で自転車に乗る人を見かけることがあります。
このような、自転車のながら運転は、安全運転義務違反に該当する可能性があります。
罰則は各都道府県によって異なりますが、自転車走行中のスマホの操作、傘差し、イヤホンやヘッドホンの使用は、条例で禁止されていることが多く、違反した場合は「5万円以下の罰金」と定められていることもあります。
また、スマホの操作と傘差し運転での事故は、自転車側の過失が5%〜10%程度大きくなる可能性があると、過失割合の専門書籍に記載されています。
イヤホンの使用について明確な記載はありませんが、安全運転義務違反に該当する行為のため、自転車側の過失だと相手保険会社が主張してくることが考えられます。
自転車の二人乗りはすべて禁止?

大人が子ども乗せ、幼児用座席の装着や子どもが6歳未満などの条件をクリアしている場合であれば、自転車の二人乗り(三人乗り)が認められています。
ただし、大人同士の2人乗りは違法行為です。
この場合は2万円以下の罰金が課せられる可能性があります。
二人乗りで交通事故にあった場合の過失割合については、明確な定めはありませんが、危険な行為ですので、相手保険会社に過失を主張される可能性はあるでしょう。
無灯火も罰金の対象になる?
無灯火は道路交通法で禁止されており、5万円以下の罰金が課せられる可能性があります。
夜道の事故で自転車のライトをつけていなかった場合は、5%〜10%程度、自転車側の過失が大きくなることが想定されます。
もしもの自転車事故のために知っておきたいこと
交通ルールを守って自転車に乗っていても、交通事故にあってしまう可能性はゼロではありません。
ミスターリードでは、万が一の自転車事故のために知っておきたいことや、事故被害者にあった際の慰謝料請求や利用できる保険のことなど、自転車事故に関する情報を多数お伝えしています。
ぜひご参考ください。
Mr.リードからあなたへ
今回、ご説明したような違反行為をすると罰則を科せられる可能性があり、大きな事故に起こしてしまう危険もあります。
基本的なことですが、交通事故に遭わないためには、自転車に乗るときも交通ルールを守ることが大事。
自転車事故の加害者にも被害者にもならないため、このことを忘れずに意識しましょう。
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