交通事故コラム

交通事故紛争処理センターの和解あっ旋で解決。デメリットはないの?

交通事故の賠償請求では、示談交渉や裁判以外に、「交通事故紛争処理センター」などのADR機関を利用して和解する方法もあります。自分で弁護士に依頼してもメリットが少ないときや、弁護士費用の支払いが難しいときは、交通事故紛争処理センターの利用が適している可能性があります。
利用する流れや費用などをご説明したうえで、示談交渉や裁判と比較してメリットとデメリットを確認していきましょう。

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交通事故紛争処理センターとは?

「公益財団法人交通事故紛争処理センター」は、裁判以外で紛争を解決するためのADR機関のひとつで、交通事故による損害賠償の法律相談や和解あっ旋、審査業務を行います。

交通事故の被害者(死亡事故の場合は法定相続人)が利用できます。

交通事故紛争処理センターに相談すると担当弁護士がつき、事故の加害者と被害者にとって中立・公平な立場で対応をし、和解案の提示などをしてもらえます。

ミスターリードの
かんたん解説
ADRは、正式には「裁判外紛争解決手続」と言います。
その名のとおり、裁判をしないで争いを解決するため仕組みで、示談交渉と裁判の中間のような役割を果たしています。

相談、和解あっ旋、審査が無料!

交通事故紛争処理センターは、法律相談、和解あっ旋、審査のいずれも無料で利用できます。

書類の用意などで多少のお金はかかりますが、弁護士などが対応をしても費用は発生しません。

90%以上の人身事故が和解で解決!

交通事故紛争処理センターでは、最大で5回の和解あっ旋をしてもらうことができ、人身事故の場合は3回で70%以上、5回で90%以上が和解しているそうです。

新宿、大阪、名古屋をはじめ全国に11拠点

交通事故紛争処理センターは2019年12月時点で全国11ヶ所。

東京本部は新宿にあり、北海道、東北、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州の各地方に1拠点以上はあります。

交通事故紛争処理センター全11拠点

東京本部、札幌支部、仙台支部、名古屋支部、大阪支部、広島支部、高松支部、福岡支部、さいたま相談室、金沢相談室、静岡相談室

利用できないケースに注意

交通事故紛争処理センターは、あらゆる交通事故で利用可能というわけではありません。

下記のケースは利用の対象外で、途中で和解あっ旋が停止になることもあります。

利用できない、和解あっ旋が停止になるケースの一例

  • 加害者が自動車(原付バイクを含む)以外の事故
    (自転車同士、自転車対歩行者など)
  • 加害者の保険会社が不明の場合
  • 加害者が任意保険に未加入の場合
    (加害者が同意した場合は利用できることがあります)
  • すでに示談が成立している場合
  • すでに訴訟または調停が行われている場合
  • 事故被害者が治療中の場合
  • 後遺障害等級の申請や異議申し立てが進行中の場合

和解あっ旋の開始後に、事故被害者が治療中、後遺障害の等級認定の申請中だとわかった場合、担当する弁護士は和解あっ旋を停止することができます。

日弁連交通事故相談センターとの違いは?

似たようなADR機関に日弁連交通事故相談センターがあります。

無料で弁護士に対応してもらえる点は同じですが、相談時間やあっ旋の回数、あっ旋や審査が行われるケースなどで細かな違いが多数あります。

日弁連交通事故相談センターは、相談する環境が充実しているいっぽう、審査を受けられるケースが限られます。

気軽に相談したい人には日弁連交通事故相談センター、多少時間がかかってもあっ旋や審査で解決したい人には交通事故紛争処理センターが合っているかもしれません。

日弁連交通事故相談センターの詳細や違いについては、「日弁連交通事故相談センターのメリット。紛争処理センターとどちらがいい?」で詳しくご説明しています。

交通事故紛争処理センターを利用する流れ

交通事故紛争処理センターを利用する場合の賠償金請求の流れを下記のようにまとめました。

流れに沿って、やることを確認していきましょう。

1.交通事故紛争処理センターに相談・申立て

相手保険会社との示談交渉がまとまらないときは、交通事故紛争処理センターに相談をしてみましょう。

電話で相談予約ができ、相談は交通事故紛争処理センターで行います。

相談に対応してくれるのは、交通事故紛争処理センターから委託された弁護士です。

和解あっ旋をお願いする場合は、相談後に申立てを行います。

2.和解あっ旋

申立てが受理されると和解あっ旋が行われます。

和解あっ旋の際には、担当弁護士、事故被害者、相手保険会社が交通事故紛争処理センターに集まり、担当弁護士が双方から話を聞き、和解案として賠償額を提示します。

あっ旋手続きは1回1時間程度です。

提示された内容に双方が合意すれば和解成立で解決となります。

3.審査申立て

和解案にどちらかが合意しなかったらあっ旋不調となります。

この場合、事故被害者と相手保険会社はあっ旋不調の連絡を受けてから14日間に限り、審査の申立てを行うことができます。

審査では、法律学者や裁判官経験者、弁護士などで構成される3名の審査員が双方の主張を聞いて裁定を行い、賠償金額を提示します。

事故被害者が提示された賠償金額に同意すれば和解は成立します(原則として保険会社は、審査会の裁定に応じます)。

合意しない場合は、交通事故紛争処理センターでの手続きは和解しないまま終了となり、裁判などで引き続き争うことになります。

交通事故で裁判を行う場合の流れやメリットは、「交通事故で裁判をする際の流れ。期間や訴訟費用を考えてもメリットはある?」をご確認ください。

利用するメリットとデメリット

示談交渉、裁判と比較しながら交通事故紛争処理センターを利用するメリットやデメリットを確認していきましょう。

無料で利用できる!

先ほどもご説明したとおり、交通事故紛争処理センターは無料で利用できます。

弁護士費用の支払いや費用倒れを気にせず利用できるので、「弁護士に依頼したいけれど、費用の負担が大きい」と思っている人にはメリットです。

また、軽症で賠償金が高額にはならないケースでは、弁護士や司法書士に依頼するよりも交通事故紛争処理センターで和解あっ旋を受けたほうが、金銭面のメリットが大きいこともあります。

裁判基準での和解も期待できる!

和解あっ旋や審査は、裁判所の判例などを参考にしながら行われるため、裁判基準の金額の賠償金額が認められる可能性があります。

保険会社が示談交渉で任意保険基準の金額しか認めない場合や、時間をかけて裁判で争うことをためらっている場合などは、交通事故紛争処理センターの利用が合っているかもしれません。

中立かつ公平な弁護士がデメリットに?

交通事故紛争処理センターの担当弁護士は事故被害者と加害者の保険会社に対して中立かつ公平です。

申立てを行うのは事故被害者ですが、担当弁護士が事故被害者の立場であっ旋を進めてくれるわけではありません。

担当弁護士が相手保険会社に対して交渉してくれることはありませんし、思ったような和解案を提示してもらえないこともありますので気をつけましょう。

手続きや訪問の手間がかかります

和解あっ旋や審査の申立て手続きは事故被害者自身で行います。

また、法律相談、和解あっ旋、審査の度に交通事故紛争処理センターへ行く必要があり、多い人では解決までに5回以上行くことになるでしょう。

自宅から交通事故紛争処理センターまで距離がある人にとっては、訪問が負担になるかもしれません。

弁護士の示談交渉した後に利用する方法も

和解あっ旋の申立ては、自分で依頼した弁護士に代行してもらうこともできます。

まずは自分で弁護士を選んで示談交渉を依頼し、相手保険会社が賠償金の増額をどうしても認めない場合に、交通事故紛争処理センターを利用する方法も選択肢のひとつです。

弁護士に依頼すると弁護士費用が発生しますが、弁護士費用特約に加入していれば、その心配もなくなります。

交通事故紛争処理センターを利用したほうがいいかの判断は、弁護士によって異なりますので、依頼する弁護士とよく相談をしながら、納得のいく解決に向けた判断をしていきましょう。

Mr.リードからあなたへ

交通事故紛争処理センターは、費用をかけずに裁判基準の賠償金を目指したい人には向いているかもしれません。

いっぽうで、自分の希望を聞きながら交渉してくれる味方を求めている人は、個別で弁護士に相談したほうが合っているでしょう。

示談交渉や裁判、ほかのADR機関と比べてどの方法で解決するのがいいか、じっくりと考えてみましょう。

弁護士に意見を聞いて判断したい人は、交通事故診断から専門家に相談してみてくださいね。

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