交通事故コラム

高速道路での交通事故の過失割合。被害者の過失が修正される事情とは?

2018年に高速道路で起きた交通事故は7,934件。高速道路では、お互いが早い速度で走行しているため、ちょっとした誤りが重大な事故の原因になりかねません。そのため、高速道路での事故の過失割合は、一般道とは異なる判断がされ、被害者に過失がつくケースも多いです。ここでは、合流、車線変更、追突事故を中心に、高速道路で起こった事故の過失割合をご案内します。

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高速道路での交通事故被害で過失割合が重要な理由

交通事故被害では、ケガの治療や後遺障害の等級認定の後に示談交渉を行い、支払われる慰謝料の金額などを決めます。

高速道路での事故で示談交渉を行う場合、過失割合に特に注意してほしいです。

高速道路での事故は、加害者と被害者の双方に過失がつくことが多く、一般道での事故と比べると被害者の過失が重たいようなケースもあります。

しかし、過失割合はさまざまな事情により修正されますので、保険会社から提示された過失割合が正しいとは限りません。

その数値で正しいのか、慎重に判断していくことが求められます。

高速での追突事故は、追突された側にも過失がつく?

高速道路での交通事故で多いのが追突事故

2018年に高速道路で発生した交通事故7,934件のうち、5,826件が追突事故だったそうです。

急ブレーキや、故障などにより前方車が車道上に停車したことで起こる追突事故、それに伴う玉突き事故などが発生しています。

駐停車中の自動車への追突事故の場合、一般道であれば追突した側のみに過失がつくケースもありますが、高速道路では本線車道上での駐停車が原則として禁止されているため、追突された側にも過失がつくケースが多いです。

また、急ブレーキをかけて後続車が追突したような場合だと、双方に同じ程度の過失がつくことがあります。

駐停車中の場合、急ブレーキの場合、それぞれの追突事故の基本割合は次のように分けられています。

高速道路に駐停車した自動車の過失割合

事故の詳細 過失割合
駐停車していた理由に落ち度がある場合 追突した自動車60:追突された自動車40
駐停車の理由に落ち度はないが、駐停車後の対応に落ち度がある場合 追突した自動車80:追突された自動車20
追突された自動車に落ち度がない場合 追突した自動車100:追突された自動車0

駐停車した理由やその後の対応に落ち度があるか否かで過失が変わってきます。

駐停車した理由の落ち度は、ガス欠など防ぐことができた理由で駐停車した場合、駐停車後の落ち度は、停止表示機材(三角表示板など)の設置といった駐停車後の事故を防ぐ対応や、安全な場所への非難を怠った場合などが該当します。

このような落ち度がない場合や、安全を確保するためにやむを得なく路側帯に車を止めて、そこで追突された場合は、追突した自動車にのみ過失がつきます。

急ブレーキによる追突事故の過失割合

事故の詳細 過失割合
理由なく急ブレーキをかけて追突された場合 追突した自動車50:追突された自動車50

高速道路では、事故の危険を回避するなどの正当な理由がある場合を除き、急ブレーキをかけることは禁止されています。

そのため、前方車が理由なく急ブレーキをかけたと判断されると、ともに50%の過失になります。

前方車のブレーキランプの故障など、後続車が急ブレーキに気がつきにくい事情がある場合は、ここから過失修正され、追突された側のほうが重い過失になることもあります。

本線に合流する車両との事故の過失は?

インターチェンジやサービスエリア、パーキングエリアからの合流を苦手としている人も多く、高速道路の中で交通事故が発生しやすいスポットです。

合流地点で衝突事故が発生した場合、合流する側の車両に重い過失がつきます。

どちらも自動車だった場合、一方がバイクだった場合の過失割合をご紹介します。

合流地点での交通事故の過失割合

事故の詳細 過失割合
どちらも自動車 本線車30:合流車70
本線車がバイク 本線車20:合流車80
合流車がバイク 本線車40:合流車60

本線車30:合流車70が基本割合で、バイク事故の場合は、バイク側の過失が10%程度少なくなる傾向があります。

これは、バイクのほうが大きなケガをする可能性が高いためです。

基本割合から過失が修正される要素としては、急加速や前方不注意、スマートフォンの操作などが挙げられます。

合流車が前に入れないように、本線を走行している自動車が合流地点の直前で急加速をしていた場合、急加速の程度に応じて10〜20%程度の過失が加算されます。

また、本線車または合流車に前方不注意、携帯電話やスマートフォンを操作しながらの運転があった場合は、事故の原因になった著しい過失とみなされ、10〜20%程度の過失が加算されます。

追い越し車線、分岐点、出入り口付近だと過失が変わる理由は?

次に車線変更時の衝突事故の過失割合をご説明します。

車線変更時の事故は、基本的には車線変更をした自動車の過失が重くなります。

ただし、事故状況のちょっとした違いによって過失が変わるため、正確な判断は簡単ではありません。

走行速度や交通ルールの厳守といったお互いの運転状況だけでなく、高速道路のどこで事故が発生したかでも過失が修正されます。

基本割合は、走行車線から追い越し車線に車線変更をした場合と、そのほかの車線での車線変更の場合に分けられます。

車線変更時の交通事故の過失割合

事故の詳細 過失割合
追い越し車線への車線変更 直進車20:車線変更車80
そのほかの車線変更 直進車30:車線変更車70

追い越し車線への車線変更は、ほかの車線への変更よりも車線変更車の過失が10%程度大きくなる傾向にあります。

追い越し車線では、ほかの車線よりも早い速度で走行しているため、車線変更をする自動車は、そのことを注意したうえで車線変更するべきだと考えられているからです。

さらにここから走行状況や事故の発生場所によって過失割合が修正されます。

たとえば、直進車に速度違反があった場合や、分岐点や出入り口付近での事故の場合は、直進車の過失が10〜20%程度加算されます。

分岐点や出入り口付近だと直進車の過失が増えるのは、分岐点や出入り口付近は車線変更が予測されるエリアで、直進車も車線変更を予測しやすいことが理由です。

いっぽう、車線変更車は、ウインカー出し忘れや出すのが遅かったなどの事情があると、過失が10〜20%程度加算されます。

止むを得ず高速道路上に出た際に事故にあったら

原則として、高速道路上を歩行者が通行することは法律で禁止されています。

そのため、高速道路上を歩行者が歩き、交通事故にあった場合の過失割合は、歩行者80:自動車20で、歩行者の過失が高くなります。

ただし、自動車が故障した場合など、止むを得ず高速道路上に出ることもあります。

その際に事故にあった場合、過失は次のようになります。

駐停車車両の近くにいた歩行者の事故の過失割合

事故の詳細 過失割合
駐停車した自動車の近くに歩行者がいた場合 歩行者40:自動車60

近くは、自動車から10m程度を指します。

高速道路上に出る理由があったとしても、歩行者にも過失がつくのが特徴です。

停止表示器材設置している最中に事故では、歩行者の過失が20%程度低くなります。

また、歩行者、自動車のいずれかに確認不足があった場合などは、著しい過失または重過失があったと判断され、歩行者だと10〜20%、自動車だと10〜30%程度過失が重たくなることがあります。

Mr.リードからあなたへ

高速道路での交通事故は、一般道よりも事故の原因となる危険な運転や誤った行為をした側の過失が加算される傾向が強くなっています。

過失が10%異なると、過失相殺後の賠償金額は数十万円から数百万も変わることがありますので、事故被害者にとっては大きな違いです。

高速道路で起きた事故で相手保険会社から賠償金額や過失割合の提示を受けたら、そのまま示談を進めるのではなく、一度弁護士などの専門家の意見を聞いてみましょう。

弁護士への相談がきっかけで、示談の内容が大きく変わるかもしれません。

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