交通事故コラム

歩行者にも過失がつくケース。飛び出し、乱横断、信号無視などの過失割合

交通事故の加害者と被害者の責任の割合を示す「過失割合」。歩行者対自動車の事故では、過失割合が10対0で歩行者に過失がつかないケースが多いです。しかし、飛び出しや乱横断、信号無視などの危険行為があると、歩行者にも過失がつき、慰謝料が過失相殺されます。では、どのようなケースで何%の過失がつくのでしょうか。歩行者対自動車の交通事故での過失割合をまとめました。

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死亡事故の半数以上は飛び出しなどが原因

「急いでいて渡ってしまった」「歩道橋があったけど面倒で…」。

横断歩道のないところや赤信号で道路を横断した経験は、おそらく多くの人にあると思います。

しかし、飛び出し、信号無視、横断歩道外横断などの行為は、交通事故の原因になります。

警察庁が発表している「平成30年における交通死亡事故の特徴等について」によると、歩行者の死亡事故のうち、高齢者58%、高齢者以外70%に歩行者の法令違反があったそうです。

歩行中死者の法令違反状況(平成30年)

高齢者(65歳以上) 高齢者以外
違反あり 512人(58%) 238人(70%)
違反なし 370人(42%) 103人(30%)

歩行者と自動車の交通事故では、ほとんどの場合、自動車側に過失がつきます。

しかし、歩行者が危険な行為をしていた場合は、歩行者のみが死傷していても自動車だけに責任があるとは言えず、歩行者にも一定の過失がつくことが多いです。

横断歩道外を渡る「乱横断」の過失は何%?

横断歩道のないところで道路を渡る行為は、歩行者の交通事故の原因としても多く、最近では「乱横断」という言葉も使われています。

乱横断は、決められた場所以外を横断していますので、事故が起きれば歩行者に過失がつくケースが多いです。

乱横断による事故の過失割合の例をご紹介します。

乱横断、横断歩道外横断の過失割合の一例

事故の詳細 過失割合
信号、横断歩道のない幹線道路を横断して直進車と衝突 歩行者20対自動車80
横断歩道のない交差点を横断して直進車と衝突 歩行者15対自動車85
信号のない横断歩道の外(横断歩道付近)を横断して衝突 歩行者30対自動車70

乱横断をすると、歩行者に10〜30%程度の過失がつきます。

表にある「横断歩道のない交差点」とは、横断歩道の代わりに歩道橋がある交差点などを指します。

また、「信号のない横断歩道の外(横断歩道付近)を横断」は、横断歩道があるけど、そこを渡らず、手前や奥を横断することです。

横断歩道を明らかにはみ出して渡った場合や、横断歩道の手前から車道に入り、斜めに横断していた場合などが当てはまります。

信号無視での事故は歩行者が重い過失になることも

青信号で横断歩道を渡ったときの事故であれば、基本的には歩行者に過失はつきません。

しかし、赤信号を横断して交通事故にあった場合は歩行者にも過失がつきます。

幹線道路のような広い道路を信号無視で渡ることはもちろん、車1台分程度の短い横断歩道でも、信号無視があれば過失はつきます。

歩行者による信号無視の過失割合の一例

事故の詳細 過失割合
歩行者が赤信号を横断、車が青信号を直進 歩行者70対自動車30
歩行者が赤信号を横断、車が黄信号を直進 歩行者50対自動車50
歩行者が赤信号で横断を開始し、その後青信号に変わる 歩行者10対自動車90
歩行者が横断途中で赤信号に変わる 歩行者20対自動車80
(安全地帯がない横断歩道の場合)

歩行者のみが信号無視をしていた場合は、自動車より歩行者の過失が大きくなります。

歩行者、自動車にかかわらず、信号無視をした側に対しては重い過失がつく傾向が強いです。

3行目の「歩行者が赤信号で横断を開始し、その後青信号に変わる」は、信号が青に変わるよりも早く横断を開始する場合などが当てはまります。

また、信号は事故前後で変わることも多いため、事故直前と事故発生当時に、歩行者と自動車の信号の状況はどうだったかで過失割合は変わってきます。

道路に寝ていた場合、駐車場内での事故の場合は?

乱横断や信号無視以外でも、歩行者に過失がつくケースはあります。

その中から、道路に寝ていて車にひかれた場合、商業施設の駐車場やコインパーキングで事故にあった場合をご紹介します。

歩行者に過失がつくケースの一例

事故の詳細 過失割合
歩行者が道路に寝ていて自動車と衝突 歩行者30対自動車70
夜間に歩行者が道路に寝ていて自動車と衝突 歩行者50対自動車50
駐車場内で歩行者と自動車が衝突 歩行者10対自動車90

歩行者が道路に寝ている状態のことを「路上横臥」(ろじょうおうが)といい、泥酔した人が路上横臥をして事故に遭うケースなどが当てはまります。

路上横臥では、自動車から人が寝ているのが確認できるか否かで過失が変わり、確認しづらくなる夜間などは歩行者の過失が大きくなります。

また、駐車場での事故では、駐車場内の通路で発生した事故、駐車スペース内で起こった事故ともに、「歩行者10対自動車90」が基本割合と考えられています。

過失割合は事故の時間や場所で変わります

ここまでご紹介した過失割合は、あくまで基本となる割合です。

交通事故にあった時の状況は一人ひとり異なり、事故の時間帯や道路の大きさ、歩行者の年齢などによって、過失も変わります。

歩行者の過失割合が変更される事故状況の一例

事故状況 過失割合
夜間 歩行者の過失が+5%
住宅街や商店街 歩行者の過失が−5%
幹線道路 歩行者の過失が+5〜10%
歩行者が幼児や児童、高齢者、身体障害者 歩行者の過失が−5〜10%

住宅街や商店街は自動車の運転手が歩行者に注意を払って運転するものとされているため、歩行者の過失が小さくなります。

反対に幹線道路では、歩行者が横断時に自動車に注意しなければならないため、過失が大きくなる傾向があります。

ほかにも、歩行者が横断途中で立ち止まったり、自動車の直前直後を横断したりして事故が起こったケースでは歩行者の過失が大きくなります。

集団でいた場合など、自動車から歩行者を確認しやすい事情があると、歩行者の過失が小さくなることもあります。

保険会社が提示した過失割合が正しいとは限りません

過失割合は、慰謝料の金額と同じように保険会社から提示されますが、この数値で決定ではありません。

保険会社からの提示内容は、加害者側の言い分だけを反映させたり、先ほどご紹介した過失割合が変更される事情を考慮していなかったりして、歩行者に必要以上の過失がついていることもあります。

そのため、「本当にこれで正しいの?」と過失の割合や、過失がつくこと自体に一度疑問を持つことが大切です。

また、「事故発生状況報告書」を詳細に記載することも正しい過失の認定につながります。

作成のポイントは、『【図解】でわかる!「歩行者」対「車」の事故発生状況報告書の書き方』をご覧ください。

示談交渉で事故当時の道路状況などを主張することで、過失割合が変更される可能性があります。

Mr.リードからあなたへ

飛び出しなどで事故にあった場合、その行為には反省も必要です。

だからといって、保険会社の主張をそのまま受け入れる必要はありません。

ケガをしたことに対する補償を適切に受け取るために、慰謝料と過失割合の示談交渉を行いましょう。

正しい過失割合の判断をし、示談交渉で過失を変更するには交通事故に関する専門知識が必要ですので、弁護士などのサポートを受けながら進めてみてくださいね。

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