足の切断で認定される後遺障害等級は?
足のことを医学の言葉では「下肢」(かし)と言い、「下肢の欠損障害」という後遺障害があります。
これが足の切断で認定される後遺障害です。
下肢の欠損障害では、足をどこから切断したか、切断したのが片足か両足かで後遺障害等級が次のように決まっています。
下肢の欠損障害の後遺障害等級
切断の箇所 | 両足または片足 | 後遺障害等級 |
---|---|---|
膝から股関節の間で足を切断 | 両足 | 1級5号 |
片足 | 4級5号 | |
足首から膝関節の間で足を切断 | 両足 | 2級4号 |
片足 | 5級5号 | |
足の甲(リスフラン関節以上)を切断 | 両足 | 4級7号 |
片足 | 7級8号 |
足切断の後遺障害等級では、どこを切断したら何級が認定されるかが明確です。
そのため、むち打ちの後遺障害などと比べると等級認定でトラブルにはなりづらいようです。
足の切断で支払われる後遺障害慰謝料の相場は?
後遺障害慰謝料は、認定された等級ごとに目安となる金額が決まっています。
足の切断で認定される後遺障害等級は1級、2級、4級、5級、7級です。
各等級での後遺障害慰謝料の自賠責基準と裁判基準の金額、ミスターリードが算出した示談交渉での相場金額をご案内します。
後遺障害等級の相場金額
自賠責基準 | 裁判基準 | 示談交渉での相場 | |
---|---|---|---|
第1級 | 1150万円 | 2800万円 | 2240万円 |
第2級 | 998万円 | 2370万円 | 1900万円 |
第4級 | 737万円 | 1670万円 | 1340万円 |
第5級 | 618万円 | 1400万円 | 1120万円 |
第7級 | 419万円 | 1000万円 | 800万円 |
- ※自賠責基準は「自動車損害賠償保障法施行令」を参照。
- ※裁判基準は「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」を参照。
- ※相場はミスターリードが独自に算出したものです。
- ※2020年3月31日までに発生した交通事故の場合は、自賠責基準の金額が異なります。
いずれの後遺障害等級でも高額の後遺障害慰謝料が支払われますが、自賠責基準と裁判基準、相場では数百万から1000万円以上の金額差があります。
後遺障害慰謝料は足を切断することになったショックや、今後受ける不自由やストレスに対して支払われるお金ですので、相場を参考にきちんと示談交渉を行うことが大切です。
将来の仕事や家事への影響は逸失利益で請求
逸失利益は将来の仕事(収入)や家事への影響に対して支払われる損害です。
足を切断したことで部署異動や転職をせざるを得なくなったような場合などで、逸失利益を請求することが可能です。
逸失利益の計算は、ケガの影響で労働能力が何割減少するのかを数値化した「労働能力喪失率」などを用いて行います。
労働能力喪失率は後遺障害等級ごとに数値が決まっていますが、デスクワークの仕事など、足の切断があまり影響しない仕事に就いていた方は、決められた数値よりも低い労働能力喪失率で計算され、逸失利益が低額になってしまうこともあるようです。
逸失利益の計算方法は「逸失利益の計算方法とポイント」でご確認ください。

義足や車椅子の費用は請求できる?
足を切断した場合にその後の生活で必要となる義足や車椅子。
これらの費用については、実費を賠償請求できることが一般的です。
ただし、必要以上に高価な義足や車椅子を購入すると、費用の一部は自己負担となる可能性があります。
また、義足や車椅子は一定期間で買い替えが必要とされているため、将来の義足や車椅子の費用も保険会社に請求することができます。
示談成立後に買い替え費用を請求することはできませんので、示談交渉の際に将来分もまとめて請求するようにしましょう。
そのほか、車椅子の利用などに伴って自宅をバリアフリーに改築する場合は、改築する必要性が認められれば費用を保険会社に請求することができます。
身体障害者手帳の申請を検討しましょう
足を切断すると、後遺障害の等級認定とは別で「身体障害者手帳」の交付を受けることができる可能性があります。
「身体障害者障害程度等級」では下肢欠損の症状によって1級から7級が定められており、6級以上に該当する、または7級が2つ以上重複する場合に身体障害者手帳が交付されます。
身体障害者手帳の交付を受けると、税金の控除、手当や年金の受給といった支援を受けることができます。
申請方法や支援、サポートについて詳しくは「交通事故で障害が残ったら。身体障害者手帳の制度と手続きとは?」をご覧ください。
Mr.リードからあなたへ
交通事故で足を切断したこと、今後、不自由を強いられる生活を続けていくことのショックはとても大きいことと思います。
だからこそ相手の保険会社に対してしっかりと慰謝料請求を行い、適切な補償を受け取りましょう。
重度の後遺障害が残った場合、示談交渉は複雑になりがちです。
弁護士などの専門家のサポートを受けながら進めていくことをおすすめいたします。
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