信号無視、一時不停止…交通違反が事故の原因に
警察庁の発表によると、平成30年の交通違反取締り件数は約600万件あったそうです。
その中でも、スピード違反が約120万件、一時不停止は約130万件、携帯電話等の使用は約84万件と多くなっています。
交通違反で切符を切られることを繰り返すと、免停や免許取り消しになりかねません。
ましてや、交通事故を起こしてしまうと、1度で免停、免許取り消しになる可能性もあります。
交通違反は重大な交通事故の原因にもなってしまいます。
平成30年の法令違反別の交通事故件数を確認すると、一時不停止による交通事故が1万6400件、信号無視は1万2495件ありました。
これらの交通事故に繋がる危険性がある交通違反をピックアップし、違反点数や反則金を整理していきましょう。
交通違反の青切符と赤切符の違いは?
交通違反すると、「切符をきられる」と言いますが、切符には青切符、赤切符、白切符があります。
その違いをご存知でしょうか?
青切符(交通反則切符)は、「反則行為」に対して違反点数が加算され、反則金を納付する必要がある切符です。
赤切符は(交通切符)は、青切符よりも重度の交通違反が該当し、「非反則行為」があったとして、違反点数の加算に加え、刑事処分で罰金刑が科されます。
罰金刑になると、前科が付いてしまいます。
白切符(点数切符)の場合、反則金はありません。
違反点数のみが加算される交通違反をしていた場合に交付されます。

スピード違反の点数と反則金。大幅な超過は赤切符に
スピード違反は交通事故を引き起こしかねない危険な行為です。
速度超過が大きいと、より大規模な事故にも繋がってしまう恐れがあります。
そのため、大幅なスピード違反は赤切符がきられ、一般道の場合は30km以上、高速道路の場合は40km以上の超過で赤切符となり、簡易裁判で罰金刑が科されます。
違反点数は、超過した速度、一般道路又は高速道路によって違反点数や反則金が異なります。
スピード違反の違反点数や反則金、罰金は次の通りです。
一般道路でのスピード違反の点数、反則金(普通車)
超過速度 | 違反点数 | 反則金(罰金) |
---|---|---|
15km未満 | 1 | 9,000円 |
15km以上〜20km未満 | 1 | 12,000円 |
20km以上〜25km未満 | 2 | 15,000円 |
25km以上〜30km未満 | 3 | 18,000円 |
30km以上〜50km未満 | 6 | 罰金(簡易裁判で決定) |
50km以上〜 | 12 | 罰金(簡易裁判で決定) |
高速道路でのスピード違反の点数、反則金(普通車)
超過速度 | 違反点数 | 反則金(罰金) |
---|---|---|
15km未満 | 1 | 9,000円 |
15km以上〜20km未満 | 1 | 12,000円 |
20km以上〜25km未満 | 2 | 15,000円 |
25km以上〜30km未満 | 3 | 18,000円 |
30km以上〜35km未満 | 3 | 25,000円 |
35km以上〜40km未満 | 3 | 35,000円 |
40km以上〜50km未満 | 6 | 罰金(簡易裁判で決定) |
50km以上〜 | 12 | 罰金(簡易裁判で決定) |
- ※反則金はともに普通車の場合です。大型車、二輪車、原付バイクなどで金額が異なります。
一時不停止・信号無視は、接触事故のリスク増
一時不停止や信号無視も取締り件数が多く、事故につながりやすい交通違反。
「行けるかなと思ってやってしまった」が、取り返しのつかない交通事故を引き起こしかねません。
細い路地などでの一時停止無視は、歩行者、自転車などと衝突するリスクがあり、見通しの悪い路地は、より危険です。
大きな交差点などで信号無視をすると、青信号に変わって動き出した自動車や歩行者と衝突する危険があります。
赤信号での交差点侵入はもちろん、明らかに黄信号になってから交差点に侵入した場合も交通違反で検挙される可能性がありますので気をつけましょう。
一時不停止の点数、反則金
交通違反 | 違反点数 | 反則金(罰金) |
---|---|---|
指定場所一時不停止等 | 2 | 大型車9,000円 |
普通車7,000円 | ||
二輪車6,000円 | ||
小型特殊自動車5,000円 | ||
原付バイク5,000円 |
信号無視の点数、反則金
交通違反 | 違反点数 | 反則金(罰金) |
---|---|---|
信号無視(赤色等) | 2 | 大型車12,000円 |
普通車9,000円 | ||
二輪車7,000円 | ||
小型特殊自動車6,000円 | ||
原付バイク6,000円 | ||
信号無視(点滅) | 2 | 大型車9,000円 |
普通車7,000円 | ||
二輪車6,000円 | ||
小型特殊自動車5,000円 | ||
原付バイク5,000円 |
スマートフォン、携帯電話の使用。ながら運転は危険!
平成30年に携帯電話等の使用の検挙件数は約84万件。
これはスピード違反や一時不停止に次いで多い件数です。
スマホを触りながらの運転は特に注意が必要。
平成30年に携帯電話使用等で発生した死亡事故は42件あったそうです。
少し前にはスマホゲームをやりながら運転をしていたドライバーが死亡事故を起こし、大きなニュースになりました。

スマートフォンを操作しながら運転は、前方不注意になりやすく、信号待ちをしている自動車への追突事故などを起こし兼ねません。
通話やメッセージ、ゲーム、目的地の確認などでスマートフォンを使用するときは、安全な場所に停車させてから使いましょう。
電話に出るために、駐車や停車が禁止の場所に車を止めてしまうと、駐車禁止、駐停車禁止で切符をきられる可能性があります。
また、信号待ち中にスマホを使用することもあるかもしれませんが、赤信号でも取り締まりを受けることがあるようです。
青信号に気がつくのが遅れたり、途中で信号が変わり使用したまま発進することになったりしてしまいますので気をつけましょう。
最近では、Bluetoothやイヤホンマイクを用いてハンズフリーで通話をする人も増えています。
しかし、都道府県によってはイヤホンマイクを使用しながらの運転が禁止されています。
お住いの地域の交通ルールをあらかじめ確認しておきましょう。
携帯電話等の使用による点数、反則金
交通違反 | 違反点数 | 反則金 | 罰則 |
---|---|---|---|
携帯電話使用等(保持) | 3 | 大型車25,000円 | 6ヶ月以下の懲役 または 10万円以下の罰金 |
普通車 18,000円 |
|||
二輪車 15,000円 |
|||
小型特殊自動車 12,000円 |
|||
原付バイク 12,000円 |
|||
携帯電話使用等(交通の危険) | 6 | 適用なし | 1年以下の懲役 または 30万円以下の罰金 |
- ※携帯電話には、携帯電話、スマートフォンのほか、カーナビや携帯ゲーム機なども含まれます。
2019年12月1日より罰則などが強化されました。
この強化によって、「携帯電話使用等(保持)」では違反点数が1点から3点になり、反則金の金額も高くなりました。
スマホや携帯電話を使用しながら運転して交通事故を起こした場合などが該当する、「携帯電話使用等(交通の危険)」では、違反点数6点になりました。
これによって、前歴のない人でも一度の違反で30日の免許停止となります。
これまでは反則金の支払いのみとなる場合もありましたが、反則金がなくなって刑事罰が科せられる可能性が高まり、より厳しい罰則を受けることになりました。
ウインカーの出し忘れは巻き込み事故の危険
交差点での巻き込み事故の原因になりやすいのが前方を走っていた自動車による左折合図の出し忘れや、ウインカーを出すタイミングの遅れです。
ウインカーが出ていないと、後方を走行するバイクなどは自動車の左折を予見できません。
ウインカーの出し忘れは、「合図不履行違反」に該当します。
車線変更の際の合図も同様です。
また、進路変更終了後もウインカーを出し続けている場合や、曲がらないのにウインカーを出す行為は「合図制限違反」になります。
合図の出し忘れ、消し忘れによる点数、反則金
交通違反 | 違反点数 | 反則金(罰金) |
---|---|---|
合図不履行違反 | 1 | 大型車7,000円 |
普通車6,000円 | ||
二輪車6,000円 | ||
小型特殊自動車5,000円 | ||
原付バイク5,000円 | ||
合図制限違反 | 1 | 大型車7,000円 |
普通車6,000円 | ||
二輪車6,000円 | ||
小型特殊自動車5,000円 | ||
原付バイク5,000円 |
Mr.リードからあなたへ
今回ご紹介した以外にも、ヘッドライトの無灯火、侵入禁止、追い越し禁止、進路変更禁止など、さまざまな交通ルールがあり、少しの油断で違反をすると切符をきられたり、事故を起こしたりすることにつながってしまいます。
事故を防ぐため、交通ルールを守って安全第一を常に心がけてくださいね。
なお、交通事故を起こした際の違反点数などについては「人身事故と物損事故の違反点数の仕組み。被害者でも違反点数がつく?」、交通違反と過失割合の関係については「交通違反と過失割合。信号無視やスピード違反で事故を起こしたら」でご説明しています。
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